相場ではなく自分のポートフォリオの過熱を見る。
DIAMOND online 山崎元さん。
相場ではなく自分のポートフォリオの過熱を見る。
記事からは、
「もう・まだ」の予想問題については、筆者は「まだ」の方に一票投じたいと思うが、これはギャンブルにすぎない。投資家は「自分にとって適切だと思えるリスクの量」を持ってじっとしているのが、意思決定の問題としては正解だ
という一文を引用いたします。
山崎先生が、「まだ」の方に一票を投じたい理由は記事をご覧いただくとして、重要なのは、太字にしたところ。
昨今、相場は妙に好調で、心騒いでいる方も多いのではないでしょうか。ただ、これって、相場が妙に不調なときに心が騒いだのと同じであることは忘れてはいけません。
「昨今の相場の急上昇はおかしい。そろそろリバランスしてもいいんじゃないのか。」と言う声もちらほら見かけますが、相場が急落したとき、焦って買うのがよろしくないのと同様に、相場が急騰したときに焦って売るのも良くないのであります。
株価上昇局面におけるリバランスの基本姿勢としては、相場が過熱したと思うから売る(=利益確定)ではなく、自分のポートフォリオが過熱したから売る(リスクの調整)ということなのです。
たとえば、ベテランの長期投資家と、まだ積立てを始めたばかりの人では、立場が全然違いますよね。
ベテランの投資家は、もう、ポートフォリオが完成形に辿り着いていて、しかも、資産規模も大きくなっています。なので、昨今の相場の急騰で、リスクが不適切なほど高いレベルに達している場合も多いでしょう。
しかし、まだ、積立てを始めたばかりの人は、リスクテイクはまだ道半ば、というケースも多いのではないでしょうか。そう言う方が、ベテラン投資家の「売る」というアクションにつられて売ってしまうのは、いささか残念な気がします。ここは、ひたすら淡々と積み立てる、というのが王道と考えます。
ただし、その「適切だと思えるリスクの量」について、「相場が好調に見える今こそチェックする」という考え方は悪くないと思います。
余談
相場の未来はわかりません。今の相場は過熱気味だという視点がある一方で、そもそも、昨今の相場の急上昇はおかしいのか?という視点で見ることもできます。というわけで屁理屈をこねてみます(笑)。
たとえば日経平均を年次リターン(月末終値ベース)の推移を見てみると、
実は、コロナショックってなんだったの?という感じになってます。小泉相場からのサブプライムショック〜リーマンショック、アベノミクスからのチャイナショックなどと比べると、妙に迫力に欠けます。
また、長期推移という目線で見て見るべく、株価を、1960年を基点とした年次リターン(複利ベース)と見比べてみると、こんな感じ。縦軸は対数にしてあります。
今の株価って、年次リターン5%ライン程度なんですよね。ちなみに日経平均の年次リターンの単純平均は6%くらい。もしそれが、平均回帰のポイントだとするなら、今の日経平均が4万円でも説明が付くという強弁もできます。ちなみにちなみに、平成バブルは、当時、それを遙かに超える異常な高値だったことが伺えます。その結果、平均回帰力の発動だったのか、長きにわたる低迷が続いたとも読み取れます。
この種の屁理屈、与太話は、たいへん面白く個人的には大好きなのですが、屁理屈は屁理屈、与太話は与太話です(笑)。この類いの話には惑わされず、山崎先生のおっしゃるように、「自分にとって適切だと思えるリスクの量」を持ってじっとしている、ことが肝要なのではないでしょうか。
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