米国株の浮沈を見てみる 2020/11
大統領選挙の投票も終わり相場は絶好調。ダウ平均の長期推移を半年ぶりに見てあれこれ雑談してみます。
米国株の浮沈を見てみる 2020/11
いつもは、縦軸を対数にしたり補助線書いてみたりして、ニューヨークダウの長期推移を眺めるだけのこのシリーズですけど(前回はこちら)、今回は、シンプルに一枚。10年、20年の名目年次リターンがどう変化していったかというグラフを付け加えてみました。
ダウ平均の縦軸(右)は、対数となってます。10年、20年の方は、たとえば、10年であれば、プロットした年月においてそれまでの10年の年次リターンを示しています。
いいときもあれば悪いときもある
ここで言いたいのは、たとえ米国株と言えど、いいときもあれば悪いときもある、ということ。上記ダウ平均の長期リターンの平均は、10年も20年もおおよそ6%強なのですが、それよりも調子のいいときもあり、悪いときもあるのです。
たとえば、直近の10年のパフォーマンスはすごく良かったのですが、20年の年次リターンはプラスではあるものの下降中。じゃあ、これが今後も続くかというと、過去を見るとそうではなさそうです。
ただ、「いいときも悪いときもあるが、「長ーーい目」で見るとリターンは平均回帰する」ということだけは信じたい。そのくらいは言えます。言っちゃいます。
そして、その「長ーーい目」は、10年、20年ではないのです。長期投資は、50年〜100年くらいの長い目で見ないとダメで、個人では不可能。真にできるのは年金運用やノーベル賞の運用みたいに何世代も連なる運用だけなのであります。身もフタもありませんが、原理的なバイ・アンド・ホールド型長期投資をするには、人の一生は短すぎるのでありました。ある意味、うまくできているというか、そうは問屋が卸さないというか。
長期投資をするには、人間の一生 はあまりに短い
10年20年レベルではどうしても生じてしまうリスクを多少は緩和することが必要で、具体的な手法としては、「分散投資」「リバランス」、この二つしか私は知りません。特に「分散投資」は重要です。しかし、現実には、なかなかに難しい側面もあります。
(1)分散できるのにしない。
(2)そもそも分散できない富がある。
(1)は、かたくなに株を拒む場合もそうでしょうし、かたくなに無リスク資産の必要性を拒む場合もそうでしょう。あるいは、かたくなにどこかの一国だけに投資したり、どこかの一国をかたくなに拒絶したり。
(2)は、この世の富のすべてが、自由市場で証券化されているわけではないと言うこと。
米国株のグラフを眺めているうちに、あれこれ考えてしまう今日この頃でした。
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