REITを含むバランスファンドを買う場合に押さえておきたい2つの観点
たろうさんからコメントにて、ご質問いただきました。
”日本株式・Jリートバランスファンドの購入を検討していますが、純資産額が少ないのが少し不安で、なかなか購入できずにいます。やはり国内株式のインデックスと国内リートのインデックスをそれぞれ購入した方が安心でしょうか。"
2つの観点から考えて見ます。
その1 バランスファンドは、将来ポートフォリオを変更したくなった場合に困る。
個別のファンドの良し悪し以前に、バランスファンドは、将来ポートフォリオを変更したくなった場合にちょっと困るという問題を多かれ少なかれ持っています。資産比率の管理が煩雑になることがあるんですね。(実際、私は困りました。)
上記の観点に立つなら、バランスファンドを利用する場合は、少々大げさですが、あれこれポートフォリオを変えず、長期に渡ってそのファンド一本を保有し続ける覚悟が必要になります。となると選ぶファンドは、たとえば、オールイン型の8資産均等分散型のバランスファンドのようなものになるでしょう。セゾンバンガードなんかもその系列で、私の妻は、かれこれ、13年以上、セゾンバンガードだけを老後のお守りの如く買い続けています。
いわゆる「永遠の初心者」としての選択肢の一つが、バランスファンドです。
ただ、私が、今現時点で「永遠の初心者」に向いたファンドを一本上げるとするなら、それは、バランスファンドではなく、全世界株式指数(MSCI ACWIやFTSE Global All Cap)に連動するファンドです。
その2 株式インデックスにはREITが含まれている。
意外と知られていませんが、そのMSCI ACWIやFTSE Global All Cap。実は、REITが含まれています。なので、指数相当分でよければ、わざわざ、REITは買う必要はありません。
たとえば、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の運用報告書を見てみましょう。
には、当該期末、
- p27 ᅜ国内REIT(9本)
- p66〜68 先進国REIT(米国38本、カナダ3本、フランス4本、オランダ1本、イギリス4本、オーストラリア7本、香港1本、シンガポール4本)
- p104 新興国REIT(メキシコ1本、南アフリカ6本)
の保有が記載されています。
これで飽き足らないという方は、別途REITクラスを購入することになりますが、保有比率は管理しておいた方が良いでしょう。
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以上、REITを含むバランスファンドを買う場合には2つの観点を考えておくと良いのではないかと不肖私は考える、というお話でした。
おわりに 〜つみたてNISAよ永遠なれ
さて、当該ファンドは規模が小さいが大丈夫か?というご質問ですが、つみたてNISAの対象ファンドであれば、
大丈夫じゃなくても金融庁がこわいので大丈夫
というのが私の答えです。運用会社は最期まで運用をふんばるでしょうし、運用会社そのものの存続自体は不透明ですが、その場合もどこかの存続会社に合併吸収されるのではないかと。
つみたてNISAよ永遠なれ!(金額も、もっと増やして〜っ)
たろうさん、ご質問ありがとうございました。今後も、素朴かつ興味深い疑問については、記事の形でヒントとなるようなお話を書いていきたいと思います。投資法には、明らかな間違いはあっても正解はありません。あくまでも「ヒント」となります。悪しからず。
コメント
質問を取り上げて頂き、ありがとうございます。
日本株式・Jリートバランスファンドは国内株式インデックスと国内リートの購入を考えていたときに見つけた商品だったのですが、株式インデックスにリートが含まれていることを全く知りませんでした。
将来、ポートフォリオを変更する可能性もありそうですので、今後は分けて購入することを検討したいと思います。
また、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の積み立てを設定したところだったので、新たにリートの割合を増やす必要があるのかも改めて考えたいです。
償還リスクについての考え方もとても参考になりました。
ありがとうございました。
投稿: たろう | 2020年11月 7日 (土) 01時15分
>たろう様
ご質問ありがとうございました。
ご参考になれば幸いです。
分けて買っておけば、あとで気持ちが変わったとき、対処しやすいですよね。
投稿: NightWalker | 2020年11月 7日 (土) 10時53分