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2020年10月20日 (火)

スペックはまあまあ良いのになぜか買うのがためらわれているインデックスファンドの話

昨日は、つみたてNISAの中から、これはというファンドをスクリーニングしてみましたが、今回は逆の視点。

はじめに

インデックスファンドの中には、すごくスペックは良いけど、買うのがためらわれる商品ってありますよね。早い話、いつまでたっても純資産総額が増えないファンドです。前回同様、ささっとスクリーニングしてみます。

  • 容易に買えるインデックスファンド。
    (代表としてSBI証券のファンド検索を利用)
  • 信託報酬率 0.2%以下
  • 純資産総額10億円以下

前回との違いは太文字のところです。

スペックはまあまあ良いのになぜか買うのがためらわれているインデックスファンド

ファンド名 信託報酬 純資産(百万円)
三菱UFJ国際-つみたて全世界株式   0.2200% 8
農林中金-NZAM・ベータ 日経225   0.1760% 20
三菱UFJ国際-つみたて米国株式(S&P500)   0.2200% 65
三井住友TAM-i-SMT TOPIXインデックス(ノーロード)   0.1870% 72
三井住友TAM-i-SMT 日経225インデックス(ノーロード)   0.1870% 122
三井住友TAM-i-SMT グローバル株式インデックス(ノーロード)   0.2090% 227
One-たわらノーロード 全世界株式   0.1320% 359
岡三-日本株式・Jリートバランスファンド   0.2090% 383
三菱UFJ国際-つみたて先進国株式(為替ヘッジあり)   0.2200% 384
ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスF6資産均等型   0.1749% 632

そんなにありません。それだけに目立つというか。概ね二つのグループに分かれます。

その1 もっと安いのがあるので選ばれないチーム

たとえば、三菱UFJ国際投信のつみたてシリーズ。

Slim買えばいいじゃんというあたりまえの行動の結果と言えましょう。中身は一緒なのに信託報酬が高め。つみたてシリーズを買う合理性はありません。つみたて全世界株式の純資産総額は800万円ですけど、中身は一緒のSlimオールカントリーは、500億円超え。その差は歴然です。

「販促支援が必要な販社に対して売る商品が必要」というのが、つみたてシリーズのレーゾンデートルでしたが、結果的にはもはや詭弁と成り果てております。たかが、つみたてNISAのインデックスファンドの説明を自前でできないような販社に売る資格があるとは到底思えませんし、こんなに売れないと、その販促支援の費用もつみたてシリーズ自体ではまかなえず、別のファンド、たとえばSlimのコストにしわ寄せが行くわけであります。

その2 なんというか運用会社が信用されていないチーム

たとえば、三井住友TAM-i-SMTシリーズ。

基本的には、Slimと同じような位置付けの商品なんですけど、売れてません。グローバル株式インデックスなんて売れ筋の先進国株式クラスなのに、売れてません。推定理由は簡単。市場価格が下がっても値段を下げない会社だということを受益者に見透かされているからです。

このチームが、復活するときがあるとするなら、運用会社としてのやる気を見せること。

  • 信託報酬率を市場に合わせて漸減する(ことを宣言する)。
  • 手始めに、同一指数のファンドを低いコストのファンドに統合し、戦う意思を見せる。

まあ、無理と思われ。確定拠出年金のような法人営業で戦えるゾーン以外勝ち目はなく、インデックス投資の世界では忘れ去られることになると思われます。そんな会社のインデックスファンドの犠牲になるのは、私の世代までで十分です。

まとめ

ひと言で言ってしまえば、インデックスファンドの受益者は賢くなってしまった、ということではないでしょうか。もうね、だませない、みたいですよ。なにしろ老後の生活の品質がかかっているので、つみたてNISAの主力世代である若手の選択眼は、初心者といえど厳しくなっています。

以上、スペックはまあまあ良いのになぜか買うのがためらわれているインデックスファンドの話でした。

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コメント

いつも楽しく拝見しています。有益な情報をいつもありがとうございます。
今回の切り口から見て「楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)」はどのような印象でしょうか?
このファンドはバンガード製にも関わらず純資産は約10億円と大きく育っているとは言えず、管理費用0.247%/年と安いとは言えない金額です。ですが似たようなコンセプトのセゾンバンガードバランスファンドと比べると管理費用は半分以下です。しかしお金の集まりが全く比較にならないほど差がついている理由がわからないのですがいかがでしょうか。もしよろしければコメントいただけると嬉しいです。

投稿: ばんちゃん | 2020年10月20日 (火) 18時10分

>ばんちゃん様
コメントありがとうございます。
楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)のコンセプト自体は良いと思います。外国債券部分の為替ヘッジも理解できます。

このファンドが資金を集めていない理由を推測するに、

・為替ヘッジ有り無しにかかわらず、外国債券クラスに投資する合理性を感じない。
・単に銀行預金と全世界株式を1:1で組み合わせて、自分でリバランスしても一緒
だし、コストも安い。

と考える人が増えたからではないでしょうか。

じゃ、セゾンバンガードはなんでいまだに売れているの?って話になるわけですが、これまた私の勝手な推測ですが、

・10年前には十分競合力があり、その流れで積立て続けている人がいる。
・中野マジックともいうべき、求心力。

あと、蛇足ですが、
>バンガード製
あくまで楽天投信がバンガードのETFを使って作ったファンドです。バンガード製と書くと、バンガードさんにしかられそうです(笑)。

投稿: NightWalker | 2020年10月20日 (火) 18時24分

先日、世界一ラクなお金の増やし方を読ませて頂き、大変勉強になりました。
ありがとうございました。

今回のブログにもありました日本株式・Jリートバランスファンドの購入を検討していますが、純資産額が少ないのが少し不安で、なかなか購入できずにいます。
やはり国内株式のインデックスと国内リートのインデックスをそれぞれ購入した方が安心でしょうか。

投稿: たろう | 2020年11月 4日 (水) 22時48分

>たろう様
コメントありがとうございます。また拙著をお読みいただき感謝申し上げます。
本件、ブログのエントリーにしますので、しばらくお待ちください。

投稿: NightWalker | 2020年11月 5日 (木) 00時15分

ご返信ありがとうございます。
楽しみにお待ちしております。

投稿: たろう | 2020年11月 5日 (木) 07時18分

>たろう様
ちょっとだけバックログがありますので、お待ちくださいませ。数日後には書きます。

投稿: NightWalker | 2020年11月 5日 (木) 23時40分

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