投資信託の整理について考える
りんりんさんより、コメントいただきました。本エントリーでお答えを兼ねて取りあげてみたいとみます。
>久しぶりに資産の整理をはじめました。(中略)投資信託の整理についてもお考えを教えていただけると嬉しいです。
長期投資家的には、売りたくない。でも、売るしかないということもありますよね。いくつかケースを上げます。
その1 お金が必要になったとき
<資産形成期>
リスク許容度を全金融資産の中で管理していた場合。たとえば、リスク資産比率を全金融資産の50%にすると決め、リスク資産を500万円、無リスク資産500万円、計1000万円の資産を持っている人が、臨時出費で200万円を使いたいなと思った場合は、リスク資産100万円、無リスク資産100万円取り崩すべきと私は考えます。
たとえば、失職したり減給されてしまい一時的にお金が必要となったときもそうです。無理に投資信託の保有にこだわって、リスク許容度を超えてしまっては本末転倒。こういう場合にも売りたくない人は、多少のバッファ(いわゆる生活防衛資金)を持っておく必要があります。
<資産活用期>
これは説明不要ですね。普通に取崩しです。
その2 リバランスのとき
ノーセルリバランスができればいいのですが、そうでなければ、売るしかありません。リスクコントロール第一主義でいきたいところ。
その3 その商品に価値を感じなくなったとき
アクティブファンドだと、その商品の実運用が変わったり自分の価値観が変わったりして、もう保有したくないと思うこともあるでしょう。インデックスファンドの場合は、オーバーウェイトした指数に興味がなくなったときでしょうか。
その4 口座を整理するとき
もちろん、移管手続きができるのであれば、そうすべきです。しかし、過去、私がやってきた口座の整理では、その証券会社でしか売ってない商品というのがありました。このときは、泣く泣く売るしかありません。
まとめ
単に商品の数を減らしたいという理由で売るというのは、あんまりオススメできません。そのままが正解。ただし、保有額の少ない商品であれば、精神衛生面を重視し、資産が膨らむ前にえいやっと売ってもイイかな。
また、りんりんさんのコメントには、
>売却した代金で、積立金額を増額して、元の状態に少しずつ戻していけば
とありますが、リスクレベルの維持の観点から一気に買い変えた方が良いと私は考えます。もし、これが怖いと考えるなら、リスク許容度自体の再点検が必要になっているのかもしれません。
どうせいつかは売るときが来ます。その時に整理するというのが基本。税金はお金を増やしてくれた社会への恩返しと考えることにしてます(します)。
以上、投資信託の整理についての私の考えでした。
コメント
早速ありがとうございます!
色々なケースでの考え方、そうか~、なるほど!と思いながら読ませていただきました。
>保有額の少ない商品であれば、精神衛生面を重視し、資産が膨らむ前にえいやっと売ってもイイかな。
私は精神衛生面を重視して、保有額の少ない数本を売却してみようと思います。数本減らせると思っただけでも、すっきりして満足できそうです。この一言を待っていたのかもしれません(笑)
>リスクレベルの維持の観点から一気に買い変えた方が良いと私は考えます。もし、これが怖いと考えるなら、リスク許容度自体の再点検が必要になっているのかもしれません。
私はてっきり一気に買うのは良くないと考えていました。
通常の積立のように、時間をずらして少しずつ買う方がリスクが少ないと思っておりました。
せっかくなので、この機会にもう一度、無リスク資産とリスク資産の割合を考えてみようと思います。生活防衛資金はちゃんと確保しています(#^^#)
この度はありがとうございました。
ブログの更新楽しみにしています☆
投稿: りんりん | 2020年9月16日 (水) 23時02分
>りんりん様
拙文が参考になって良かったです。ブログのネタもありがとうございました(笑)。
>時間をずらして少しずつ買う方がリスクが少ない。
ドルコスト平均法の誤解のひとつなのですが、時間分散で証券自体のリスクは減らないのです。
ただし約定日の差による運不運はあります。同じ資産クラス同士の買い換えなら、売る方と買う方の約定日(発注日じゃないですよ)を同じ日にするのが基本路線と考えます。
投稿: NightWalker | 2020年9月16日 (水) 23時19分