iDeCoを開始するときに必要な「事業主の証明書」は可及的速やかに廃止すべき
事業主の証明書は可及的速やかに廃止すべき
会社員(第2号被保険者)が、iDeCoに入るときに提出しなければならないのがこちら↓
個人で入るのに、わざわざ、会社にこんなお伺いを立てなければならないのです。カンさんは、
”この『事業主の証明書』こそiDeCo加入『最大の壁』”
とおっしゃってますが、ほんとにそうです。もう、全面的に本質的に最大限に同意です。
実は、ウチのムスコも、いまだにiDeCoに加入してません。給料が安くて拠出が苦しいというのもあるんですけど、辞めようと思っている会社にこんなめんどくさいことを頼みたくないわけです。申込書を途中まで書いて挫折。(「とっとと辞めれば」という突っ込みは無しでお願いします)
- 本人もよくわかってない制度を会社に説明する自信がない。
- 宵越しの銭を持たない美学の同僚に「貯め込みやがって」とばかりに変な目で見られる。
弱い立場の人間ほど、もういいや、となっちゃうんですよね。
確定拠出年金は、企業年金を持たない(あるけど少ない)弱者の自助を支援する制度である、という原点に立ち返って欲しい。この制度に入るべき、20代30代の若者のホンネをヒアリングして欲しい。本件担当の官僚は、ブロガーの声を取り入れるなどしてつみたてNISAに至った金融庁さんの国民本位の姿勢を少しは見習って欲しい。
カンさんは、こうも指摘しておられます。
”制度という『箱』は合理的なのに、その中身を動かすオペレーションが、なんと云いますか、時代遅れで、形式的で、権威主義なのです。”
まさにガラパゴス。印鑑文化なんかも、その典型ですよね。
その印鑑制度とセットで、iDeCoを開始するときに必要な「事業主の証明書」は可及的速やかに廃止して欲しい。
そう強く願っております。
余談
「100年に一度」の危機は、手を変え品を変え「10年に一度」くらいは襲ってきます。
今回のコロナで私が痛感したのは、我が国には、感染症に対する実効性のあるコンテンジェンシープランがなかった、ということです。他のもっとクリティカルな危機も同じでしょう。想像するだに恐ろしいです。
だとするなら、必要なのは、それを補う自助です。
たしかに、自助とはそもそも「国の制度にあんまり期待しないこと」なのかもしれません。しかし、若いうちからそう悟り切ってしまうのも何だかな、と思ってしまう今日この頃です。
コメント
いつも楽しく拝見させて頂いています。
私も数年前にイデコを始める際に、悩んだことを思い出しました。
会社に『事業主の証明書』を依頼する時、総務の課長さんに、どの部署の誰に書類を送れば良いかを教えてもらった事を思い出しました。
これからも、ブログを楽しみにしています。
投稿: おむすびエビフライ | 2020年6月27日 (土) 11時14分
>おむすびエビフライ 様
コメントありがとうございます。
お疲れさまでした。想像するに、窓口部署は、総務ではなく財務経理系が多いんでしょうかね。
問題は、そもそも受付部署がない、誰一人iDeCoをやってない、という会社さん。ローカルにはけっこうそんな話を伺います。
投稿: NightWalker | 2020年6月27日 (土) 11時23分
いつも楽しく読んでおります。
某有名小売り業に勤めておりますが、非正規のため会社の確定拠出年金には入れず、イデコを始めました。事業主の証明書を会社からもらわなければならないとわかったときはこんなことやめてしまおうかと思いましたが…とりあえず現場で一番上の立場の人に書類を預けましたが、その方はそもそもイデコが何なのか知らないようでした(数日後に総務から連絡があり無事に始められましたが)。
投稿: 若月 | 2020年6月29日 (月) 19時56分
>若月 様
コメントありがとうございます。
無事、始められて良かったです。
>何なのか知らない
ここなんですよね。現場上司が正規社員で企業年金があるなんて話だったら、ちょっとため息が出ちゃいます。
投稿: NightWalker | 2020年6月29日 (月) 22時50分