社会保障を使いこなすことが、お金の運用以上に大切
日経 田村正之さん。「お金を殖やすツボとドツボ」シリーズをひたすらご紹介するエントリー。第14回のテーマは、こちら。
うつや内臓疾患も対象 年200万円強支給も
- 障害年金の受給者は増加傾向で、現在200万人強
- 外形的なケガだけではなくうつや内臓疾患も対象
障害年金には、国民年金に入っているともらえる「障害基礎年金」、厚生年金に入っているともらえる「障害厚生年金」があり、「年に200万円を超えることもある」にもかかわらず、「障害年金の対象になると知らずに申請しない人も多い」とのこと。
申請の時効は5年。
「障害厚生年金」は、「厚生年金の加入時に初診日」があることが受給条件にあるそうです。体調問題もあって早期リタイアを考えている人は、押さえておきたいですね。
この問題、社労士さんのヘルプが必要です。記事では、「障害年金支援ネットワーク」というNPO法人を紹介していますが、勤め先のEAPとか、リストラを食らった場合に紹介される再就職支援会社でも相談に乗ってくれることがあるようです。
社会保障を使いこなすことが、実はお金の運用以上に大切
田村さんの当シリーズを読んでいて思うのは、昨今、話題に上ることも多い金融教育についてです。今回、はっとさせられたのは、
”社会保障を使いこなすことが、実はお金の運用以上に大切なんだ。”
という岡根さんのひと言です。良い台詞だな一。一日一回唱えたい。ハナちゃんも唱えてw
金融教育というと、つい「株式とは?」とか「複利とは?」となりがちですが、やっぱり、最重要必須項目は、社会保障制度。前途有望な若者には正しい理解をした上で社会に出て行って欲しい。
「年金は破綻する」「それは全部政治のせいだ」「国家にだまされるな」などの謎論理でいたいけな若者をだます輩から身を守る必要があります(だます本人は信じ込んでいるからたちが悪い)。
もうひとつ、金融教育に注文を書いておくなら、細かいテクニックの前に、リスクを取る人へのリスペクト。一定のリスクを取ることこそが社会貢献の根幹にあるという考え方です。
国を失った戦後の焼け野原、ソニー、トヨタ、ホンダ、多くの企業がリスクまみれのどん底の中から生まれ、日本を牽引してきました。それがいつのころからか傲慢に変わり(たぶん80年代)、バブル崩壊で萎縮に変わったのです(たぶん90年代からずっと)。誰もがリスクを取りたがらない、気持ちが萎縮した社会は伸びようがありません。ましてや、リスクテイクする人を銭の亡者呼ばわりするような社会では救いようがない。
そんな萎縮世代の私の反省としては、せめて株式投資くらいのリスクテイクはしていきたい。そして、そのリスクプレミアムを人生後半に受け取るくらいは許して欲しいと思ったりもする今日この頃でした。
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