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2020年6月25日 (木)

投資の失敗呼ぶ「成長の罠」

日経 田村正之さん。「お金を殖やすツボとドツボ」シリーズをひたすらご紹介するエントリー。第13回のテーマは、こちら。

経済成長=株価のリターンではない。

今回の田村さんのお話は、いわゆる成長のワナ。必ずしも、経済成長=株価のリターン とはならないのです。その理由は、将来の利益増が過剰に織り込まれているどころか、下手すると「過度な期待のピーク」で投資することになりかねないから。成長すればその国の企業の収益も大きくなるのは、ひとつの道理ですが、道理であるがゆえにすでに過剰に株価に織り込まれ、往々にして投資家のリターンは小さくなりがち、というわけです。

山崎元さんがよくおっしゃる、期待リターンの源泉は、経済成長ではなくリスクプレミアムにあるという話ともつながるのかもしれません。

記事には、ここ10年の新興国と先進国の株価指数の比較も出ています。

20200625

ちなみに、私がこの考え方に最初に出会ったのは、10年以上前、シーゲルさんの本でした。以来、新興国投資に対する私の考えは、「ほどほどに」です。

ときどき「新興国は成長する→だから株価も伸びる」という考え方に出くわします。個人投資家が勝手にそう言っている分には本人の勝手ですが、証券マンが新興国株投信の宣伝文句に使っている場合は要注意ですね。

ついでに、私個人の新興国投資に対する考え方を書いておくと、

  • 新興国や新技術に対する投資は、田村さんの記事で登場するハイプ・サイクルが示すようにリスク(変動幅)が大きい。リスクはリターンを損ないがち。(成長のワナと同じことを言っているのかもしれない)
  • イノベーションのジレンマで、とある成功した技術は、別のとある新しく安い技術にとってかわられる可能性がある。その新しく台頭する勢力が新興国産とは限らない。(これも成長のワナと言えるかもしれない)
  • 新興国は民主的ではない国や日本に敵対するような国も混じっていて、心情的にも積極的になれない。

こんなことをモヤモヤ考えながら、未来がどうなっても「ほどほど」になるインデックス投資に着地したのでした。

素人でもわかるような経済予測に基づく投資はもう遅い。

本件は、別の言い方をすると、「素人でも分かるような経済予測は、時すでに遅し」です。新興国投資、新技術投資以外にも、素人が陥りやすいワナのひとつが、外債投資。

日本の財政は悪化→いずれ円安になる→そうだ外債(ヘッジなし)を買おう。

みたいな。もう、そんなありふれた予測は十分に為替なり何なりに織り込まれているとみるべきでしょう。

田村さんは、今回のドツボのコーナーで、低成長ニッポン、意外と買い?と指摘されています。いわば、低成長の逆のワナ。これと同じで、為替が円高に振れるリスクはしっかり抑えておくべきなのかもしれませんね。

田村さんの記事に出ていたガートナー社の「ハイプ・サイクル」。ふと、5年以上前のサラリーマン時代を思い出してしまいました。そういえば、よくこんな図が出てくるレポートを必死に見たなあ・・・もはや、私にとってサラリーマン生活は郷愁です。早期リタイアでビジネスの現場からも離れ、ド素人度は絶賛向上中。

サラリーマン生活が支えていた、なけなしの経済観すら鈍ってしまったそんな私は、それこそ下手な考え休むに似たり。休むどころかマイナスになりかねません。市場が決定し続けているニュートラルポジションにちゃっかり乗るのが分相応と心得るべきではないかとあらためて思う今日この頃でした。

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