年金不安で「カモられない」 権丈善一先生と井戸美枝さんのスペシャル対談が読めますよ。
日経さんで、慶大商学部教授 権丈善一先生と社労士 井戸美枝さんのスペシャル対談が読めます。
新刊の目玉対談を、まるごと公開
先日、当ブログでもご紹介した、井戸美枝さんの新刊『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』の最後に収録されているスペシャル対談を、なんと、まるごと公開。太っ腹プロモーションです。
さすが権丈先生。気持ちのいい台詞がいっぱい詰まってます。
たとえば、最初に井戸さんが「日本の年金制度、崩壊しないですよね?」と投げるんですが(井戸さんも気持ちがいい)、権丈先生は、国民が国を信じてそれまで払った年金の保険料の拠出記録をチャラにするなんて、
「たとえカエサルでもナポレオンでもやらなかった(できなかった)だろう」
と一刀両断。あー、気持ちいい(私は権丈先生のファンです)。
そうなんですよねー。「年金は持つわけがない」「こんな制度なくしてしまえ」と叫ぶ人は多いですが、だったら自分でやってみろ、民主主義なんだから、みたいな。そんなことしたら命がけ。少なくとも私はそんなことに命をかける気は起きません。
てな具合です。引用し出すと止まらないので、ぜひ、対談本編をお読み下さい。
雑談
ちなみに井戸さんの新刊は、現在、私の妻の手元にあります。私が、強く推薦したのです。「これなら読みやすいし、良書だよ」と。
でも、ふと見ると積ん読状態。で、つい手に取ってしまった私、思わず、再読してしまいました 。で、やっぱり、面白い。読みやすい。
本書、完成度が高いです。いろんなところに気が配られています。あらためて読んでみて、初心者向けの本なのにクロート好みの仕上がり。そんな印象を持ちました。
それにしても、老後を心配してない私がいうのも何ですが、妻は、老後、心配じゃないのかなー(笑)。妻の老後対策は、本を読むより、とにかく働いて自分名義の財産を増やすことのようです。それは次の三本立て
- いわゆる「お宝」個人年金(予定利率が年4%台だったころに契約)
- セゾン投信
- 普通に貯金
3番目かな、妻自身が一番信頼してるの。
待てよ、ひょっとしたら、聞かれたことないけど、私の持つ老後のファイナンシャルプランに期待しているのかも・・・。
そんな私の老後設計上、個人的な最大の懸念はインフレ。
一般論としては、インフレになったらマクロ経済スライドが発動し実質的な年金額が減るので、長く働き、受給を繰り下げるのが合理的になります。これが作用するので、結局、年金システムは破綻しないんじゃないかと。
ただ、私のインフレ対策は、「(稼ぐために)働く」ではなく、繰り下げるためのキャッシュと、インフレ対策としての株式資産を少々持つことであります。
コメント
「インフレは怖い」
我が国は長い間デフレ状態が続き、なかなか脱出出来ないで困っています。
しかし、金融緩和政策の下で異常な中央銀行の資産買い入れが進んでいます。
この新コロナショックの緊急対策で、中央銀行は更なる財政出動を引き受ける
表明をしています。「供給が原因のインフレ」は許容できますが、「貨幣的
要因のインフレ」特に「財政インフレ」はとても心配です。
投稿: オークX32 | 2020年5月 8日 (金) 09時03分
「デフレも怖い」
>オークX32様
コメントありがとうございます。
一方で、当面の日本、需給要因のデフレ圧力は大きそうです。
あくまで個人的な感覚ですが、私が書いたインフレの心配はけっこう将来の話と思ってます。イメージとしては、物心ついてから、ずっとデフレだった今の氷河期世代が後期高齢者になった頃。あくまで個人的な感覚です。
この需給要因を崩すものがあるとするなら、団塊の世代、更には団塊ジュニア世代の人口インパクトが減り、加えて移民を段階的に認め、人口構造が変わったとき。あるいは、何らかの要因で今も貯め込み続ける世界一の対外純資産を使っていく構造に変化、つまり対外経常収支が赤字になったときなどでしょうか。
単純に財政要因だと、全世界で見たときは、世界一の借金国である米国がハイパーインフレにおびえなくてはならないような気もします(笑)。
クロートのみなさまですら明確な答えを出してはくれない難しい問題でありますので、シロートの私としては、適度にインフレを心配しておけばいいのではないかと考えます。
投稿: NightWalker | 2020年5月 8日 (金) 10時51分