一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!
社会保険労務士、井戸美枝さんの新刊「一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!」のご紹介です。ご献本いただきました。
老後資金の「自分ごと」って何なのよっに答える超わかりやすい好著
本書はまさにタイトル通り。老後資金の問題に関する
だから「自分ごと」って具体的に何なのよっ。
というやっかいな疑問に超わかりやすく答えてみようという一冊でした。
もちろん、完全なる答えがあるわけではありません。人生の選択肢は、十人十色、百万人百万色です。しかし、共通する勘所はあります。本書は、吟味されたであろういくつかのケーススタディを使って、最低限押さえたい勘所を説明するという建て付けになっています。
また、本書は、「年金をいかに増やすか」が基調となっており、「あえて住民税非課税世帯になっておく」とか、私のような早期リタイア(早く辞めちゃうので年金はその分減る)のケーススタディはありません。このあたりは、本書をきっかけに基本を押さえてから勉強すればよいのではないでしょうか。まあ、早期リタイアなんて、推奨できる選択肢ではないので教えてもらうことではありません。自分で考えて下さい。
女性向けの仕立てにはなってはいますが、「自分ごと」のケーススタディが女性視点になっているというだけで、老後の問題は、男女で表裏一体。男性の方、特に理屈っぽい表現が苦手な方にもオススメの一冊です。
好著です。オススメ。
気持ちのいい編集で一気に知識をオツムに充填!
特筆すべきは、企画編集・デザイン・文章、三位一体となった、本の仕上がりのすばらしさ。
こんな感じで、1イシュー=見開き2P(または4P)。図もいっぱいで、わかりやすくも美しい。表紙イラストのセンスも個人的にツボでした。フォントの大きさ一つをとっても、気持ちよさを感じてしまいます。当然、読みやすく、一気に知識をオツムに充填できるのでした。
これまた女性ならではの、という見方もできますが、このセンス、男性にも必要かつ有意義ですよね。
さすが日経Woman。安原さん&回遊舎さんチーム、会心の編集でした。
読む前に読め。権丈先生と井戸さんのSpecial対談付き!
本書には目玉企画があります。それが最終章のSpecial対談
年金不安で「カモられない」ために知っておくべきこと
慶応義塾大学商学部教授 権丈善一 × 社会保険労務士 井戸美枝
です。
権丈先生のファンはもちろん必読。私は最初にここを読みました(笑)。
でも、ファンじゃなくても、この対談を最初に読んでおくのはいいかもしれません。こと年金に関して、我々のオツムは、押しつけ感のある政治家、偏ったメディアやネットの論理に長い年月をかけて毒されています。本対談は、そんなオツムを浄化解放する、オツムのストレッチ、準備運動になりそうです。本書を読む前に読め。そんな対談でした。
ネガティブではなくニュートラルなマインドで老後を理解する
最近、老後資金の話では、「自分ごと」というキーワードがよく出てきます。我が国の社会保障のシステムは、ひとそれぞれな立場の違いに事細かく配慮されており、ひとそれぞれに考えることができます。その反面、あまりに複雑なので、
こんなに難しいのは社会がきっと私をだまそうとしているからだ
という典型的な疑念を持ったまま、いざ老後が目前に迫ってから「なんでこんなに年金少ないの?」と焦ってしまう方も少なからずいらっしゃるかもしれません。
老後資金の話は、本質的には単純です。できるだけ長くたくさん働いて、有利な制度にできるだけたくさんお金を投ずることで増えます。身もフタもありませんが、魔法はないのです。
ネガティブマインドは諸悪の根源、機会損失の元です。失った時間は帰っては来ません。ニュートラルなマインドで、本書に書かれていることをインプットしておけば、のちのち大きな差となって帰ってくるでしょう。
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