長期投資を始めるとき、それは「今」2020
「東京五輪が終わったら投資する」という人にメッセージを書くみたいな下りが、拙著にはあります。
東京五輪が終わってから投資した方がいいじゃないの?
拙著を書いたのは、2018年の春、今から2年前。「今、調子が良いのは東京五輪景気のおかげであって、その反動が来るはず、それから始めた方がトクなんじゃないの?」執筆当時、担当編集氏からいただいた、そんなお題であります。
- プロだって未来は予想できない。どうなるかはわからない。
- そもそも東京五輪という日本の事情だけで未来を占っていいのか?
- この20年の間にも「買い場」は3〜4回訪れた。それに、どのみちいつかは訪れる。
- なぜその時に買えなかったのか?いざ予想通り下がっても、不思議なことに荒ぶる市場におののき買えなかったりしないか?
- でも、つみたて投資なら黙っていてもその「買い場」に出会ってしまう上に買ってしまう。
- 「買い場」が「過ぎ去りし青春の日々」みたいになってしまう前にとっとと始めるべきなんじゃないの?
以上が、私のメッセージのおおまかな抜粋でした。
長期投資を始めるとき、それは常に「今」
時は過ぎ、拙著を上梓してから2年近くが経ち、危機は、残念ながらやってきました。まったく予想もできない方向から全世界を巻き込んで。東京五輪はむしろ被害者。いまや、その五輪の開催すら危ぶまれ、「東京五輪の後」自体が存在しなくなるか、かなり先のことになる可能性すらあります。
長期投資をなるべく早く始める理由は、上記以外にも、
- 投資期間が長ければ長いほど期待リターンは大きい。
- 早く始めないで積み立てなかったお金はついつい消費しがちで残らない。
- リスクマネーと付き合うには、金融リテラシーの習得のみならず、リスク慣れが必要。早く慣れた方が良い。
- でないと、いつまでたっても自分のリスク許容度、耐性がわからない。
などなど、いろいろ、上げることができます。
投資を始めようかどうしようか、お悩みの方も、たくさんいらっしゃるかと思います。
でも、長期投資を始めるとき、それは常に「今」なのです。
私としては、走りながら考えるで、気楽に始めるのがいいんじゃないかと思います。まずは、つみたてNISAを少額で始めるのがいいのではないでしょうか。
そして、始めたら長く続けることが肝要です。長期とは、10年20年30年、死ぬまで、孫子の代まで。とにかく長いんです。
また、すでに投資を始めている方は、危機が訪れた今、積立額を増やすことの意義を痛感しているかもしれません。その知見を肌身で感じることができるようになっていることこそが、より早く投資を始めた方の特権、大きな財産だと私は確信しています。
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