アーリーリタイアと暴落の季節の過ごし方 2020
2008年リーマンショックから干支を一回り。天災は忘れた頃にやってくる。天災ではありませんが、にわかに暴落の季節が始まりました。こうなると、ムショクは弱い。
アーリーリタイアと暴落の季節の過ごし方
といっても、この事態は、早期退職を決めたときから、誰がどう考えても予想される出来事ですから、発動確度の極めて高いコンテンジェンシープランはあります。
アーリーリタイア(セミリタイア)した場合、ある程度の時間、金融資産が大きく目減りしてしまう暴落期の過ごし方は2つあります。
(1)しょうがないので働く。
(2)何が何でも働かない。
私は(2)です。残りの人生も少ないし、ここで不本意に働いたら何のためにアーリーリタイアしたのかわからなくなります。これから先も、また某かのことをして働くかもしれませんが、それはお金のためではなく、「人はパンのみにて生くるにあらず」で、神さまの声が聞こえたときだけと決めています。
早期退職後の生活防衛資金
そのために、私が選んだ選択は、極めて単純。早期割増退職金を活用しつつ、生活防衛資金を大きく増やしました。
それまで、その当時の生活費の半年分くらいだった生活防衛資金を、マージンも見ながらざっくり10年分、つまり、65歳から年金をもらい出すまでの生活費分にしたのです。私の場合、定年よりちょっとだけ早い早期退職だったので、私にとっては、直近のたったの10年で使い果たしてしまうお金に過ぎません。
年金がもらえるまでの私は、過去最弱のリスク許容度なんですよね。収入がないんですから年金生活するだろう時よりも低い。全体としてみたときのリスク許容度(リスク資産比率)が下がるのは当然です。働いている自分の資産価値は高かったんだな、と実感したりもします。
- あくまで余裕資金で資産運用する。
- その余裕資金の運用も自身のリスク許容度を鑑み、リスク資産:無リスク資産=1:1のカウチポテトポートフォリオにする。
余裕がなければリスク資産運用はしません。お金が足りないから運用しているわけではなく、余裕資金を寝かせておくのは非合理的だから運用しているのであります。
早期リタイア後の航路を守る
暴落の時期の運用は、
- リバランス
→リスク資産をある程度の時間をかけて買い増す。 - 余裕資金の投入
→生活防衛資金に余裕ができていれば運用資産に回す。
これは、暴落じゃなくて相場が高騰したときも同じで、リバランスと余裕資金の投入です。売るか買うかの違いだけ。
以上が、早期リタイア後の私の「航路を守る」、そのやり方でした。
リスク資産との付き合い方は人によって違う
長期投資の考え方からすると、なるべく、たくさんのお金を長く期待リターンの高いリスク資産で運用した方が合理的です。しかし、暴落は30年のレンジで見ればリカバリーできるかもしれませんが、10年くらいのレンジでは、必ずしもそうはならない。と私は考えています。私にとっての貴重なその10年の相場で、生活のレベルが変動するのが考えられなかったのです。
これは、年齢と個人の性格に連動したリスク許容度と密接な関係があります。人によって大きく違う部分です。
今回のウーハンショックでも、自分のリスク許容度を長年考え続けた甲斐あって、さすがに自分のことよくわかっていたなと。早期退職した5年前の自分に自分で感心する今日この頃でした。
コメント
アーリーリタイア無職は、働くか働かないか選択出来るのが、最大の強みだと思います。流行りの忖度もしなくていいし、満員電車に乗らなくていい。マスクが無いから外出しなくてもいい。今回のウーハン風邪のせいで、100歳迄生きるリスクを考えなくて済むかも知れないし。塞翁が馬ですね。
投稿: 元公務員 | 2020年3月18日 (水) 10時28分
>元公務員様
コメントありがとうございます。
>アーリーリタイア無職は、働くか働かないか選択出来る
逆に言えば、選択できる状態じゃないと完全ムショクにはならない方が賢明です(笑)。
投稿: NightWalker | 2020年3月18日 (水) 17時20分
ご無沙汰です。いつも、楽しみに拝見しています。
10年間を生活防衛資金にあて、運営資金に充てなかったのはやはり先見の明ですね。
さて、「暴落の時期の運用は、リバランス→リスク資産をある程度の時間をかけて買い増す。」
これは、リバランスだからあまり長く時間をかけるは違うような気がしますし、かといって一機に行うのも不安が伴うし・・・・・
ある程度の時間とは概ねどのくらいの期間を想定していますか?
不躾な質問とは思いますが、教えていただけませんでしょうか?
投稿: 非不惑爺さん | 2020年3月18日 (水) 18時18分
>非不惑爺さん様
コメントありがとうございます。
>概ねどのくらいの期間を想定
おおむね3ヶ月〜半年くらいと考えています。といっても、長い時間で考えれば、一瞬です。
投稿: NightWalker | 2020年3月18日 (水) 21時56分
初めまして。
私は脱サラしたのは入社7年目で、それから転職をしながらITコンサルタントとして約10年間働き、労働期間は約17年です。
今はアーリーリタイヤ無職です。
こういう話がでるのは、ポートフォリオの違いだと思います。
私の場合、ストックや投資ファンドを合わせても投資の8%も行きません。
ですので、相場が元に戻るまで何もしません。
と言うより、毎日指標など見てクリックする時間が勿体ないので、放置プレイヤーです。
放置して、自分の好きなこと、海外旅行をしています。
だから、その投資の殆どが外貨建てボンドと、外貨建て定期です。
外貨MMFはファンドですが、私は中途解約ができる定期と思っています。
今のコロナショックのような局面では、為替が大きく振れますので、強い通貨からスイッチングする程度で、資産の保全、目減りは守れれると思いますよ。
投稿: 放置人 | 2020年3月28日 (土) 01時45分
>放置人 様
コメントありがとうございます。
たしかに、全資産の8%程度であれば、暴落もへったくれもありませんね。世界人として生きるのであれば、保有通貨の多重化は理にかなっていると思います。唯一短期的に懸念されるのは、昨今のコロナショックで国家間の移動制約が続き、世界人としてやりにくくなることでしょうかね。
投稿: NightWalker | 2020年3月28日 (土) 02時11分