急落時にあせって買うべきではないと私が考える理由
世界同時株安!
この文言をひさびさに見ました。素直に焦る人。妙に落ち着いている人。小躍りして買い増ししたくなる人。ここぞとばかり「この程度では暴落とは言わん!」と説教する人。そう言う説教をする人を「威張るんじゃありません」と説教する人。こういう状況になると反応は様々です。
私は全部かな(笑)。てなわけで、今回のお題は、毎度おなじみ「急落時にあせって買うべきではない理由」です。
新キャラ 黒仙人登場↓(ますい画伯作)。
急落時にあせって買うべきではないと私が考える理由は、主に次の2つの理由です。
理由その1 そもそも暴落ではない
そもそも暴落とはどう言う状態なのか、と私が考えているかというと、株価の標準偏差(σ)をざくっと20%と見た場合、
- 下落:年次リターンがマイナス20% ーσ
- 暴落:年次リターンがマイナス40% −2σ
です。日次リターンではなく年次。
2000年から約20年の日経株価平均と年次リターンの推移を振り返って見ると、
マイナス20%を下回ったのは、2000〜2003年頃のITバブル崩壊、2015年〜2016年チャイナバブル崩壊。マイナス40%を下回ったのは、言わずと知れたリーマンショック。ちなみに本日は、大きく下落したものの、まだ年次リターンがプラスでした。
あと、「リーマンショック以降、大きな下落はない」といっていますが、よく見ると、こと日本株においては、チャイナショックの影響はそれなりに大きかったんですね。ここは長期投資家として認識しておきたいところです。
理由その2 買い場は意外と長持ちする
上記の図でもうひとつ分かるのは、下落や暴落の期間は意外と長いということです。いやになるほど続きます。いやだなー、もう来ないで欲しいなー。てなわけで、短期的な収益機会には目をつぶり長期投資家として腹をくくってしまえば、
株価低迷期は見逃しようがない
のでした。誰の目にも株価低迷が明らかになり、株式投資を悪とみなす輩がそれ見たことかと大喜びするときこそ買い場なのであります。そして、長期投資家は意識せずとも、積立てとリバランスで思わず買ってしまうのでありました。
その時のために備蓄すべきは、たったふたつ。「稼ぐ自分」と「キャッシュ」です。私はいまや前者がないので後者のみの背水の陣。
以上、極めて長期投資家的な急落時にあせって買うべきではないと私が考える理由でした。
長期投資家、株価低迷時の心構えの確認には、経験者が語るこの一冊↓(宣伝)。
ところで冒頭登場の黒仙人、花粉症の季節だというのにマスクが買えません。怒ってます。株価は下落し、あやしい市場でマスクの価格が上昇する。人の不幸にほくそ笑むとはふと届き千万。天の怒りは大きい。術式を唱えましたので、買い占めているものたちには恐ろしい罰が待っていることでしょう。
コメント
毎日、楽しみに拝読してます。今、株を買い増ししようかと思っておりましたが、この記事のおかげで冷静になれました。今後もよろしくお願いします。
投稿: まゆ | 2020年2月26日 (水) 11時29分
>まゆ様
コメントありがとうございます。ご参考にしていただき、光栄です。
はい。数ヶ月単位の収益を狙うのか、10年単位の収益を狙うのか、どちらの確率にどうベットするかですね。
また、何かの要因が実経済に悪影響を及ぼし始めたときに一番懸念されるのが、「稼ぐ自分」。そして、手元にキャッシュが不足しがちな、そういうご時勢の時こそが、往々にして長期投資家にとっての買い場だったという皮肉。この点は、振り返っておく必要があると考えます。
投稿: NightWalker | 2020年2月26日 (水) 12時05分
いつも楽しく拝見しております。
ある程度まとまったキャッシュがある状況で
株価下落につられて、直ぐに買わなければと
非常に焦りを感じている自分にとってはまさに金言でした。
基盤となる積立は崩さずに、冷静に買い場を探ります。
ありがとうございました。
投稿: おうさん | 2020年2月26日 (水) 23時02分
> おうさん様
コメントありがとうございます。恐縮です。結局先は見えず、「下手なナンピンスカンピン」になりかねないので、長期投資家としては、どっしり構えるしかないのかな、と考えております。
投稿: NightWalker | 2020年2月27日 (木) 00時25分