ドルコスト平均法の話 2020
20代のインデックス投資家さんから、コメント欄で、山崎元さんのドルコスト平均法に関する記事、
がよくわからないので教えてください、というご質問をいただきました。年に一度はドルコスト平均法の話を書こうと思っていることもあり、今回は、ご質問の回答を兼ねてのエントリーです。
はじめに
冒頭の山崎さんの記事は、この界隈では、ドルコスト平均法の経典となっている一文です。ただ、少々、説明がマニアックなところがあり、たしかにわかりづらいですよね。20代のインデックス投資家さんからは、
ドルコスト平均法に固執するのではなく、場合によっては一括で投資する選択もしよう!
ということですか?とありますが、概ね、その通りです。山崎さんの説明のエッセンスというか、意図しているであろうことを私なりに説明してみようと思います。
エッセンスその1 ドルコスト平均法は損でも得でもない
100万円を持っていてそれを一括投資する場合と10万円ずつ毎年投資する場合の比較というのがありますが、これは比較として不公平です。ドルコスト平均法だと最初の10万円は10年投資されますが、最後の10万円は1年しか投資していないことになります。ドルコスト平均法においてもすべての10万円を10年ずつ投資することにすれば公平になりますが、それは結局、一括投資と同じです。
また、両者を過去のデータでシミュレーションして比較する人がたまにいますが、相場が上昇するときは一括投資が有利で、相場が下降するときはドルコストが有利に見えます。過去のデータでシミュレーションしたところで、それはその期間の相場の傾向がどちらだったかを示しているに過ぎず、比較には意味がありません。相場はイーブンであると考えるなら、この意味でも、両者は等価なのです。
<ご参考エントリー>
エッセンスその2 ドルコスト平均法で証券のリスクは下がらない
ドルコスト平均法で買おうが、一括で買おうが、その証券のリスクはその時点でのその証券のリスクにしかなりません。
リスクを下げる効果があるのは、時間分散ではなく、銘柄分散です。ある会社の株だけを何回に分けて買おうが、その会社の株のリスクが下がるわけではないのです。
エッセンスその3 長期投資では投資期間が長いほど確率的には有利
長期投資は、時間の関数です。リスクを持っているため、ギザギザカーブになってしまいますが、投資期間が長ければ長いほど、リターンが大きくなる確率が上がります。
以上のことから、もしまとまったお金があり、投資額がその人のリスク許容度以下であるとするなら、一括で投資した方が、長期で見ればリターンが大きくなる確率が高い。ということが言えるわけです。
庶民投資家としての私の見解
なのですが、そもそもまとまったお金もなく、リスク許容度もよくわかっていない、いたいけな庶民投資家にとって、ドルコストは大いに有効というのが私の意見。理由を箇条書きすると、
- その1 つみたてNISAやiDeCoでは自ずとドルコスト平均法になる
- その2 サラリーマンが最速で投資するもっともカンタンな方法
- その3 ゆるやかにリスク制御できる
- その4 蓄財を習慣化しやすい
- その5 無料の精神安定剤
詳しくは以下のエントリーをご参照ください。
<ご参考エントリー>
ドルコスト平均法は、損でも得でもない上に、精神安定「気安め」効果がゼロコストで付いており、しかもよく考えると、給料もらったら即投資なので、長期投資リターン最適化という面でも、合理的なのです。
以上、ドルコスト平均法の話 2020でした。
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