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2019年12月 9日 (月)

退職金でどんな金融商品を買ったらいいかという質問をする前に

「退職金をもらって運用したい。どうしたら良いでしょう?」という話は良く聞きます。このネタ、いろいろ書いてきましたが、年の瀬と言うことでまた書いてみます。

はじめに

この疑問を持ってしまうような人に向いた商品はおそらく「個人向け国債」または「普通に銀行預金』なんでしょうね。

投資は、インデックス投資だろうとなんだろうと増えるとは限りません。30〜50年先くらいだとバイ・アンド・ホールドでお金が増える確率はグンと高まりますが,退職金をもらうような世代だと生きている確率がグンと下がります。遺産を株で残したいという場合以外は、あまりオススメできない選択です。

こんな疑問を持つ時点で、金融リテラシーの不足を感じます。老後の資金計画に不安があるなら、ファイナンシャルプランナーのところに行って支出のコントロールをした方が良く、それでも不足感を感じるなら働いた方が良いのであります。

でも、「そうは言っても〜」としがみついてくる人もいるでしょう。そう言う人には、以下の二つの宿題をプレゼントしてみたい。どうなるんだろう。

その1 自分が取れるリスクは金額でどのくらいか

これが実は難問。私は解くのに10年かかりました。

難問になる理由は、自分自身の感情、家族の考え方、等々、論理的には把握しにくい事柄に大きく依存するからです。

月々5000円くらいならいいかと思えても、30年分にすると全部で180万円損をすると思うとイヤという人もいるでしょう。別に生活に困るわけじゃないし、500万円くらい大丈夫と思っている人が、いざ、働けなくなった年齢の時にリーマンショックのようなことが起きてそう思えるかどうか。家族に「だったらリフォームすれば良かったじゃなーい」と言われる可能性も高そうです。

その2 投資のコストについて勉強してもらう

お金を増やしたいと考えている人が、見ず知らずの金融マンの高い給料を支えるためにコストを支払うのはあまりに非合理的だ,と一回は考えて欲しい。というか、投資のコストってどんなところにかかっているのかを勉強して欲しい。

退職金でどんな金融商品を買ったらいいかという質問をする前に

つまり、オトナなんだから、ちょっとくらいは勉強してから質問してみたらどうでしょう、という話です。

その1、その2、リスクとコスト。この二つについて答えがそれなりに出て理解ができたなら、たぶん「退職金でどんな金融商品を買ったらいいか」という質問自体がバカげていると思うのでないかと。金融機関などに相談せずとも、なんとか自分で答えが出せるのではないでしょうか。たとえば、「世に、良い商品はないが、次善の商品はかろうじてある」。そんな答え。

もちろん、退職金を合わせた金融資産が、ものすごい絶対額になるのであれば話は別です。優雅に思いっきりリスクを取って社会に還元していただくのも一興かもしれません。

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