日本のETFの信託報酬に関する雑感 2019
三菱UFJ国際投信さんからグッドニュース。MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信 (1550)の信託報酬率が12月9日から下がります。
1550の変更点
今回の変更点は、1550が、ファンド・オブ・ファンズ方式からファミリーファンド方式へ変更されること。恩恵は2つあります。
- 実質的な負担(FOF特有の表現ですね)が 0.25%以内 →0.15%程度に値下がり
- 2020 年 1 月 1 日から施行される「二重課税調整措置」の対象となる。
どちらも受益者にうれしいニュース。
それにしてもなんでFOFだったんだろう。てなわけで雑感です。
日本のETFの信託報酬に関する雑感 2019
日本と米国で違うことの一つが、投信とETFの信託報酬の一般的な傾向としての大小関係です。
- 米国 ETF < ミューチュアルファンド
- 日本 投信 < ETF
今回の1550の信託報酬の値下げは、少々いびつとも言える先進国株式クラスのインデックスファンドの信託報酬率の低下によって、ETFと投信の信託報酬率の逆転までは行きませんでした。でも、値下げ自体は、ETFファンの私としてはうれしい限り。
もうひとつ日米で違うのが、投信の分配の扱い。
- 米国 ミューチュアルファンド 分配出る
- 日本 投信 分配でない投信もオーケー
かくして、日本では、資産形成期には、分配のない投信を買って複利の恩恵を享受し、資産活用期には分配のない投信を少しずつ、たとえば定率の配当のある株式と見立てるかのごとく取り崩す方が合理的となりました。
考えて見ると、これは、米国よりも恵まれた環境のような気がします。にもかかわらず我が国の資産の投資性向は低い。まあ、これはしょうがないです。
金融資産のボリュームゾーンはどうしても高齢者に集中します。現在の日本の高齢者の資産形成期には、不動産(基本はマイホーム)と高金利だった預金が正解だったわけです。高齢者になってから株式クラスを買うのは、その心細い金融リテラシーと相まって、まんまと金融機関の術中にはまるリスクがあまりに高すぎます。ただ、その高齢者にとって、タコ足ではない分配をするETFの保有はそれなりに有益という矛盾をかかえているわけでした。やはり、高齢者になる前にリスク資産の構築をしておくのがが基本なのであります。
でも、若い世代では、TooLateな高齢者とは事情は異なり、これからは、日本のリスク資産は少しずつ増えていくのではないでしょうか。
コメント
その昔は、日本でもETF<投信、でしたよね。
投信側の劇的な値下げ競争で、いつの間にやら逆転してしまいましたけど。
定額積立がやりにくい、分配金が出てしまう、といったデメリットはあれど、ETFの方が信託報酬安いし…と悩んでた頃が懐かしい。
今は投信一択ですね。
投稿: mets | 2019年11月29日 (金) 07時48分
>mets 様
コメントありがとうございます。
はい、今は投信一択です。ブログの反応を見ていても東証ETに対する無関心を体感できます(笑)。東証ETFが資産形成層にアピールするポイントは二つ。「コスト引き下げ」と「分配金」ですね。
投稿: NightWalker | 2019年11月29日 (金) 10時25分