信託報酬率を下げるだけでは日本の運用会社はバンガードにはなれない
モーニングスターさんです。インデックスファンド安くなったね、という記事です。
安くならない長期のインデックスファンド
安くなったのはいいんですが、肝心の私がたくさん持っている旧STAMなどの古くからあるインデックスファンドが安くならないのが問題。インデックスファンドなんて投資じゃないという、ごく一部の冷ややかな目線を無視してブログ開設15年。私、メイドインジャパンのインデックス投資にささやかながら貢献したと思うんですよ。それが報われないというのはなんとも歯がゆい。
てなわけで、長寿の日本のインデックスファンドってどんなのがあるのか、モーニングスターさんの投信検索で調べてみます。日本を除く、先進国株式限定。
設定10年以上
- SMT グローバル株式インデックス 0.55%
- DIAM 外国株式パッシブ・ファンド 0.55%
- 外国株式指数ファンド 0.55%
- 野村 外国株式インデックスファンド 0.65%
- eMAXIS 先進国株式インデックス 0.66%
- インベスコ MSCIコクサイ・インデックス 0.77%
- 三菱UFJ 外国株式インデックスファンド 0.87%
- 外国株式インデックス・オープン 0.88%
- 外国株式インデックスファンド 0.88%
- インデックスF海外株式(H有) 『愛称:DCインデックス海外株式(ヘッジあり)』 0.92%
- インデックスF海外株式(H無) 『愛称:DCインデックス海外株式(ヘッジなし)』 0.92%
- (MSCIセレクト) コクサイP 0.99%
- ステート・ストリート 外国株式インデックス 1.05%
横の数字は、税込の信託報酬率です。最低でも、0.55%。ちっとも安くなってない。
設定20年以上
- (MSCIセレクト) コクサイP 0.99%
- ステート・ストリート 外国株式インデックス 1.05%
2本しかありません。しかも外資。メイドインジャパンはありません。そして、ちっとも安くなってない。古い方が高いと言う悲しい現実。
もしも日本のバンガードになりたいのなら
こういうのを見ていると「日本のバンガードになりたい」などと日本の運用会社には、みだりに言って欲しくないと強く思いますね。
- バンガード →設定したファンドの信託報酬をアットコストで下げていった。
- 日本の運用会社 →新たに設定したファンドを戦略的に値下げした。
安さの質がまるで違う。
つみたてNISAでつくづくわかったんですけど、日本の一部の人々は、残念ながら、官公庁に背中を押してもらわないと動かないんですよ。
インデックスファンド限定のスイッチング非課税制度を切に望みます。
ファンド統廃合(償還ではなく)による実質的な値下げでもいいです。2000万円問題の後遺症でいつまでも怖じ気づいている場合ではない!もしそんな制度ができたら、全力で買い換えすべしとブログで宣伝しまくりますし、たぶん、その前に、運用会社があせって値下げに踏み切るでしょう。
資本主義、自由競争が、今ひとつ作用しない我が国。現代日本人の思想の中にちゃっかり潜む社会主義に原因があるような気もし、根が深い問題でもあります。私は自由が好きなので、何でもかんでも官公庁に頼るのは、本当はいやなんですけどね。
コメント
スイッチング非課税制度、いいですね。賛成。
ただ、
>> たぶん、その前に、運用会社があせって値下げに踏み切るでしょう。
確かにコレが一番楽なのですが、残念ながら必ずしもそうはならないかも。
信託報酬なんか気にしない情弱さんがまだまだ大勢いらっしゃいそうなので、そういった方々向けになんだかんだで現状のまま売れちゃうんじゃないですかね。
投稿: mets | 2019年11月10日 (日) 09時37分
>mets様
コメントありがとうございます。
アクティブではなく、インデックスファンドを選んでいる人はコストにうるさいと見てます(笑)。
投稿: NightWalker | 2019年11月10日 (日) 17時07分
僕が日本の投信業界がダメだこりゃって思ったのはemaxis slimの登場事件でした。
あの時はまさに既存のemaxisの客は泣かせて新規客から下げるという暴挙でした、既存顧客への裏切り。
なのにslim最高とかいって買う人がいるもんだから、ああ、客側もそういう感じなのね、と思ってます。
日本は変わりませんね。
投稿: 招き猫の右手 | 2019年11月10日 (日) 17時26分
>招き猫の右手 様
コメントありがとうございます。
感情を除けば、Slimは最高です(笑)。そして旧eMAXISは最低です。日本は変わってはいるんですけど、改善の小出しが多く思い切りが悪いですよね。
投稿: NightWalker | 2019年11月11日 (月) 00時14分