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2019年10月29日 (火)

サラリーマンとしての寿命が尽きることに備える

私は、50歳を超えアーリーリタイアを決断しました。その理由は、いくつかあったわけですが、今回のネタは、早期退職勧奨を受け「サラリーマンとしての寿命が尽きた」件です。

50歳がセカンドライフの分岐点

私がサラリーマンをひととおりやって卒業して思うのは「サラリーマンの寿命」。それは、

 50歳が分岐点

ということ。

会社によって違うでしょうが、会社のレベルアップのシステムは、55歳が定年だった頃の名残なのか、50代前半にピークが来ます。会社は、40代くらいまでは人材育成の投資をしますが、50代からは、会社をどう卒業させるかという方向にシフトします。具体的な方法論は、ここでは書きませんが、会社はどういうわけか「仕事をしない50代ができるようにする」のです。オトナになればわかります。

時代は生涯現役。70歳、75歳まで働け、極端な人になると90歳まで働けと言っていますが、会社の人事システムにその機能は今のところありません。それどころか、早期退職制度の発動は最近、最後の追い上げに入っているかにも見えます。

これを踏まえて、新社会人だった頃の35年前の私に言ってやりたいことを3つほど。

その1 もし会社に残りたいんだったら

もし、会社に残りたいんだったら、次の二つの道があります。

  • 社長になる勢いで出世する。
  • 現場から離れないようにする。

2番目は、意外と難しい。というのは、現場でがんばって認められると「じゃ、ワンランク上の仕事を」「別の分野でも活躍を」と、その現場を離れてしまうことになり、現場で認められないとモチベーションが低下する毎日になってしまいがち。どっちにしてもサラリーマンはつらいよ、となってしまいそうです。

その2 会社員にこだわらないんだったら

この場合の解は、「独立」です。昔の言い方では「脱サラ」。その1で言う「社長になる勢いで出世する」を会社外で実現すると言うことです。実は若かりし頃の私もご多分に漏れず、独立を夢想することがありました。しかし、私はある勘違いをしていました。それは「その会社でがんばってスキルを身に付ければ、そのスキルで独立できるに違いない」と思っていたこと。

「その会社で身につくスキルの延長線上には、得てして独立の手段がない」のであります。20代の頃に覚えたノウハウなど、50歳の頃には陳腐化しています。また、会社で得られる人脈というのもその会社でしか生かせない人脈がほぼ100%ですし、人脈が役立つ期間もせいぜい5〜10年です。

なので、別のスキルを磨き、別の人脈を築いておくことが必要です。

その3 「その1」も「その2」も無理だったら

その1もその2も、自分の能力と絡み、結構しんどい。その場合にはどうすれば良いか。それは、

 資産形成する

です。

私の場合は、気が付くのが遅すぎ資産形成を始めたのがアラフォーでした。早期割増退職金が、その気付きの遅さをカバーしてくれたので、サラリーマンの寿命が尽きる事態が発生しても辛くも乗り越えることができたのでした。正確には乗り越え中です。でも、もしも40歳で資産形成に取り組んでいなかったら、今、別の選択をしていたわけで。「人間万事塞翁が馬」とあらためて思う今日この頃でした。

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コメント

お久しぶりです。
サラリーマンとしての寿命って、見ないフリしてる人が多くないですか?いつまでも現状維持のまま行けるはずがないし、世の中を疑って、自分なりの答えを出す迄調べる必要があると思うのですが、実際にする人は少ないですよね。
私が社会人デビューしたのは1990年頃、米国系企業だったので、日本人の上司もその上の本社の上司達も始終入れ替わっており、全体的に入れ替わりが激しくて、ペーペーの私には解雇の理由が分からないだけに、定年迄働ける感覚が持てませんでした。で大学に横入りして、資格を取って、公務員に横入りしましたが、ここは定年迄働けるのが当然の不思議な世界。そこで1996年頃転職組の先輩から利率の良かった証券会社のMRFを教わったのが資産運用のきっかけです。その先輩も私も、勧奨退職しましたが、職場では変わってる人と思われています。(私が働いていた自治体では、年齢と勤続年数で一律に勧奨退職の案内が配られるので、応募して認定される仕組です。)

投稿: 元公務員 | 2019年10月29日 (火) 12時39分

>元公務員様
コメントありがとうございます。
>見ないフリしてる人が多くないですか?
今の日本のシステムであれば、凡人の場合、その会社での寿命が尽きていたとしても、どうしようもないですからねー。みんなで見ないフリをするしかないのです。

>定年迄働けるのが当然の不思議な世界。
公務員だけではなく民間だとしても日本では不思議じゃないんですよね。いわゆる終身雇用。会社への忠誠を誓わせることで馬車馬のように働くエネルギーを抽出し高度成長の波に乗る作戦です。

会社が後になって、その信頼関係を破棄してしまった。つまり成長時代が終わってしまい、20代30代に馬車馬のように働いていた今の40代50代は裏切られ、就職氷河期世代は最初から拒絶されてきたというのが、今ではないでしょうか。

個人的な改革策を考えて見るとすると、人生100年改革は、政府が、同じ会社で70歳まで働くということを大手企業を中心に強要しようとしているところ自体が、70歳まで働くパスを阻害しているような気がするんですよねー。
思うに、経営層に残る人を除き50歳までに退職企業年金含む生涯賃金の80〜90%を支払うという賃金パスとか、個人事業主が普通の社会への転換、手始めに源泉徴収の廃止でしょうか。

私は、この矛盾に早く気が付いた方ではあり自己責任に突入しました。それでも思うのは、安心安定の名の下に自己責任を発揮しづらい社会の官民からんだ仕組みにも一因があるのではないか、などと考えております。

投稿: NightWalker | 2019年10月30日 (水) 21時15分

なるほど。私は2005年頃に公務員になって今も公務員のアラフォー師業です。損した賃金は1億にはなるな。
うちは昔は4年くらいで離職することが普通でしたので、さすがにそろそろ卒業を勧奨されているのでしょうね。
後2年やったら、ちょっとアカデミックポジションに挑戦して、結果次第です。アカデミックは変人しかできないとは理解しているので、楽しみですけど、これも運次第。集中が途切れない長期信託投資は私には合っていそうです。介護も始まりそうですから、もしかしたら公務員を続けてきたのはラッキー?アンラッキー?なるようになるんでしょう。

投稿: 現公務員 | 2019年11月11日 (月) 06時27分

>現公務員様
コメントありがとうございます。
きっとラッキー。結果オーライと考えられるかどうかが、自己責任ではないかと。

投稿: NightWalker | 2019年11月12日 (火) 00時24分

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