長期投資家と相場の話
長期投資と言うのは、相場や景気動向を気にしないでドンと構えるというのが重要であり利点なのですが、私は、相場も気にした方が良いと考えています。
その1 仕事で役に立つ
サラリーマン時代は、相場や景気動向をチェックすることで、業務方針、お客さんとの雑談ネタなどなどに応用してました。こういうのって、身銭を切っている状態だから頭に入ってくるようなところがあるんですよね。
その2 長期投資家と言えど投資にも役に立つ
長期投資家と言えど、経済状況の確認は重要です。特に金利と為替。債券クラスは、
- 金利が上がるとうれしい債券(個人向け国債、短期債券など)
- 金利が下がるとうれしい債券(長期債券など)
の二つがあって、これらは別の資産クラスと定義づけた方が良く、状況が大きく変われば配分を見直さないといけません。これまた、相場を見ながら勉強しないといけないんですよね。今現在は、前者に集中してしまえとなり、逆にわかりやすい時代ではあります。
その3 妙に安心してしまわないようにする
長期投資家と言えど、投資先のマーケットは「鉄火場」です。
インデックス投資のようなスタイルだと、特にまだ少額の段階では、妙に安全だと錯覚してしまうかもしれませんが、実はヤバい世界にいるんだということを思い出すためにも相場は見ておき、その感覚と自分のリスク許容度をすり合わせるという作業が、長期のバイ・アンド・ホールドでは、どうしても必要なのです。
以上、長期投資家と相場の話でした。
余談
「ポートフォリオは10年で」と言いつつ、そう言えば、リーマンショックから10年経っちゃいましたねー。いつ暴落が来てもおかしくないですが、そうじゃない危機が来る可能性もあります。それが長期低迷。米国で言うとベトナム戦争の頃や、日本の失われた○十年みたいな時代。これがやっかいです。もちろん、今から10〜20年がそうなってしまう可能性は否定できません。
相場は、途中に暴落や暴騰などのハレーションを挟みながら、長期上昇期と長期低迷期を繰り返す。しかも未来は予測できず、その周期も人間の投資人生の短さをあざ笑うような長さでやってくる、というのが、私の認識です。
それを乗り切るためには、単純な一括投資型のバイ・アンド・ホールド手法ではダメで、その後が重要。たとえば、リバランスがあり、配当の価値があり、長期上昇局面では不利なドルコストにも意味があるんだな、などと今の私は考えています。
コメント
2つの債券クラス、勉強になります!
最近の逆イールド現象を説明するニュース(オカルトか予言かみたいな)より、経済学の考え方を教えて頂きました。
30年物ドイツ国債利回りがマイナスとはどういう事なのか?、30年もの間お金を貸すのに金利を貰えるのではなく払う、のに何故買うのか?
それはドイツ経済の今がどう見られている事なのかな…等と考えます。
余談の長期低迷、考えたくありませんが確かにアメリカであったのですよね。(株式の死)と呼ばれた15年くらい?
リーマンショックを経験した人でもダラダラと下げ続けの10年余り、を体験した人は少ない気がします。
奇しくもベトナム戦争と貿易戦争、いずれも戦争で勝ち負けが決するまで下げ続けもあるかもしれません…。トランプ大統領は株価を重視していますが。
nightwalkerさんの金言、すべて胸に刻みます。
投稿: ミント | 2019年8月18日 (日) 12時00分
>ミント様
コメントありがとうございます。
私のは経済学ではなく、強いて言うなら実学です(笑)。
ずっと株価が上がるというのは100年とか200年で見ればそうなるのかもしれませんが、10年20年だと難しいですよね。そう言う時代をどう生き抜くかという仕掛け(リバランスなど)や、リスク許容度こそが重要だと思ってます。
投稿: NightWalker | 2019年8月19日 (月) 00時36分