中ぐらいの勝利で満足する
日経マネー研究所さん。まさにこの局面で大手メディアから出て欲しかった記事。
波乱相場こそ積立投資
私が抑えておくべきと思う長期の相場の流れは、次の2つです。(ご参考エントリー:長期投資家と相場の話)
(1)長期上昇期
(2)長期低迷期
冒頭ご紹介の記事は、(2)の局面や波乱相場をやり過ごすには長期的視点に立った積立投資は強い、だから止めちゃダメというお話です。私の実体験の感覚からも強く申し上げたいところです。
私がよく取りあげる「暴落」は、たしかにどえらいショックなのですが、実際にしんどいのは「長期低迷期」に「増えないなー」とじっと耐えること。「暴落」がノックアウト級のパンチなら、「長期低迷期」は何ラウンドもダメージが続くボディーブロー。もちろん暴落→低迷と続けば二重三重につらい冬の時代です。止めたくなる気持ちも実感としてわかります。「自分の住んでいるところだけ彗星のような周回軌道に代わって、突然冬が長くなっちゃったんじゃないか」「そもそも軌道なんて無いんだし」なんて考えてしまいがち。
中ぐらいの勝利で満足する
上記の長期相場の2つのパターンでは、それぞれに強さを発揮できる投資方法があります。たとえば、
(1)長期上昇期
→攻めの投資:一括投資/バイ・アンド・ホールド/ノーリバランス
(2)長期低迷期
→守りの投資:積立投資/リバランス(によるボーナス)
というような。ずっと強い投資方法はないし、今どっちなのかも実のところよくわかりません。「守って攻める」。投信のキャッチフレーズみたいですが、実際には難しい。って言うか私には無理。今日の急落が長期上昇の始まりかもしれないし、その逆もかもしれない。となると(2)を貫き、攻めは放棄するしかない。
そんなとき思い出すのが、マキアヴェッリの言葉です。
"中ぐらいの勝利で満足するものは常に勝者であり続けるだろう。反対に、圧勝することしか考えない者は、しばしば、陥し穴にはまってしまうことになる。-『フィレンツェ史』-"
マキアヴェッリって、インデックス投資家だったんじゃないだろうかと思うようなお言葉。(マキアヴェッリは、1469年- 1527年没の人です。念のため)
長期低迷期での守りである(2)の手法は、(1)の時代では、圧勝はできないものの(2)の時代に守ってきた成果の部分が大きく花開く時期でもあります。
「中ぐらいの勝利で満足するもの」でありたい、とあらためて思う今日この頃でした。
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