ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第12版> 株式投資の不滅の真理
インデックス投資家のバイブル、ウォール街のランダム・ウォーカーの最新版、<原著第12版> 株式投資の不滅の真理が本日我が家に到着。Kindle版で買いたいところでしたが、待ち切れなかったので、紙の本で購入です。 (7/26追記 ほどなくKindle版も発売されております。)
いよいよ完成度が高まる12版
今回追加されたのは、大きなところで、
- 第4章の最後に「仮想通貨バブル」
- 第11章「スマート・ベータ」と「リスク・パリティ」(旧版 第11章 「スマートベータ」は本当に役に立つか?)
の二つです。
後者は、前版では、「結局、時価総額分散でしょ」という論旨に結構文章が割かれていたのですが、今回は、これら新しいポートフォリオ構築の考え方に対して、研究事実を淡々と書く形で。その利を認めるニュアンスになっていました。
でも、最後に、「老後に備えてこれから株式中心の運用を始めようとしている人には、まず伝統的な時価総額加重の市場インデックス・ファンドの保有から始めることをお勧めしたい」と書かれてあります。筆者のランダムウォーク哲学は不滅です。
また、今回の版では、最終15章の後に、エピローグが追加されています。
ここでは、「もしすべての投資家がインデックス・ファンドにしか投資しなくなったと仮定した場合」という究極のお題が登場。
何が何でもインデックス投資という一元論ではなく、そんな心配は無用で、市場は切磋琢磨し続けることを指摘されていました。言ってみれば、インデックス投資家とアクティブ投資家は「持ちつ持たれつ」の関係にあるわけで。
壮大なランダムウォークの旅の終着点のひとつは、やはりここにあるのかもしれません。
日本はすでに変わっている
非常に共感するのは、訳者あとがきで指摘されている「本書の価値は「変わらない部分」にこそある」というところ。
「個々の株式を売買したり、プロのファンド・マネージャーが運用する投資信託に投資するよりも、ただインデックスファンドを買ってじっと待っているほうが、遙かに良い結果を生む。」「それから四十五年以上がたった今、私はこの考え方に一層確信を持つようになった。というのも、それが今では実際の運用結果によって裏打ちされているからである。」(まえがきより)
これは、本当に重いです。そして、訳者あとがきでは、最後に
わが国でもようやく、インデックス投資が報われるようになったのである。
という、ずばっとした物言いで、ダメダメだった日本の夜明け、投資環境の改善も指摘されています。
いや、ほんとにそうです。実感。
私の長期投資人生と時を同じくする21世紀も早19年。私が、その成果を元手のひとつにセミリタイアしてからも4年が過ぎ去ろうとしています。そして、私が投資を始めたときには叶うべくもありませんでしたが、今や、つみたてNISAを始めるだけでマルキール先生がおっしゃる超ローコストなランダムウォークの旅に出航することができるのです。本は分厚くてもやることは簡単。
社会へ不平不満を言うことばかりに夢中で気が付いていない人があまりに多いですが、日本の環境は、すでに変わっていたのです。
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