認知症リスクへの備えについて考えてみる
日経マネー研究所 大江さんの記事です。
認知症の最大の問題は介護人の負担
大江さんは、認知症という観点で「金融取引での高齢者保護」を上げていますが、介護をしているものからすると、認知症の最大の問題は介護人の負担です。ポイントは、「主介護人」と「介護資金」の二つ。
その1 主介護人を誰にするか決めておく
我が家の場合、それは長男である私と妻。
認知症の苦労は、その前半戦、初期〜在宅介護中にあります。特に大切なのは初期。本人が自分で認知症の傾向にあることに気が付くのは不可能です。まっとうな判断力と経済力のある家族は最強です。ここで気が付けば、本人が終活の準備をしていなくても、もろもろの状況を把握することができます。我が家の場合、本人は終活していたつもりだったのですが、結局、終活になっておらず、まだ軽微だったときにいろいろヒアリングしました。
同居の主介護人がいると、あやしい勧誘からのガードもしやすいです。実際、電話に私が出るだけで効果絶大。男性の声にシャットアウト効果があるのか私の声に威圧感があるのか、あやしい電話の主は、なにやら適当なことを言って時に無言で電話はぷっつり切れます。
よく、老後は地方に移住するという話を聞いたりもするのですが、将来の介護人の負担からすると迷惑な話になってしまうかもしれません。老後に引っ越すなら、主介護人となり得る人とよく相談しておくことが重要と私は考えます。「子供たちに迷惑を掛けたくない」と口にする人は多いですけど、よほど金銭的に余裕がない限り、「迷惑を掛ける」ことを前提に、その報い方を考える方が責任がある発言なのかなとも思います。
繰り返しですが、主介護人には大きな負担がかかります。特にお子さんがいらっしゃらない場合、姪っ子や甥っ子などの親戚、ひいてはその家族のみなさんに大きな負担がかかります。
その2 介護資金
で、登場するのが介護資金。介護は、介護人(たとえば子)が、介護した人(たとえば親)を将来恨まないようにすることにつきます。介護人がお金を持ち出してしまうという選択は望ましくありません。規模感としては、
- 在宅介護→ 年金と合わせて、〜月5万円/人
- 施設介護→ 年金と合わせて、月15〜20万円/人
ぐらいあると、将来の価格感は別として、もろもろスムーズに行きます。
高齢者の社会保障は低所得層には手厚く、住民税非課税になると医療介護保険で大きく優遇されますが、さらに金融資産が夫婦合算で2000万円以下、単身で1000万円以下となると介護保険外の費用も減免されるケースがあります。ただ、介護の心配を考えてお金を用意しておくことと相矛盾するところがあるので計画的に実行するのは難しい面はあります。
こう言うのは、結局のところ、複数の家族の信頼が前提となるため、介護とは、例の報告書で言うところの「自分ごと」。杓子定規に紙にはできない智恵と知識が必要な世界の話であると実感する今日この頃です。
コメント
自宅を売って施設に入るとかも難しくなるので、家族信託とかも注目しています。
投稿: | 2019年6月28日 (金) 08時59分
>?様
コメントありがとうございます。
自宅を売るのであれば、なんとか認知症が発症する前にしたいところです。認知症って環境変化のストレスで一気に進行しちゃうんですよね。
投稿: NightWalker | 2019年6月28日 (金) 17時39分