週刊東洋経済 2019年6月15日号 50歳からのお金の教科書
水瀬ケンイチさんが寄稿されていると言うことで、ひさびさに経済誌を買ってみました。週刊東洋経済 2019年6月15日号「50歳からのお金の教科書」。まさに「保存版」の良特集です。
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目次のご紹介
ざっくり私の感想を書くと、
- 長期投資家として違和感がない内容。
- とにかくてんこ盛り。情報量がとても多く、参考になる。
本記事がダメと考える商品にばかりスポットを当てたStep3が目をひきます。取りあげられたラインナップから本特集の方向性がなんとなくにじみ出ているかと。(外債の話で、水瀬さんも登場します。)
STEP1 基本編
人生100年時代のお金は本当に1億円必要なのか?
50歳からお金を増やす貯蓄の5ステップ
株式投資は予算30万円から 堅実派には個人向け国債も
50代異色対談 「生涯投資家」 村上世彰×「生涯漫画家」 西原理恵子
つみたてNISAとiDeCo 押さえておくべきポイント
資産運用はじめて物語
INTERVIEW│権丈善一●慶応大学教授「分からず屋」は放っておこう
50代なら知っていてほしい 資産運用キーワード10STEP2 実践編
リスクを極力抱えず高配当狙いに徹しよう
ネット証券は何で選ぶ?
後悔する前に知っておきたい 株の失敗しない買い方
投信・ETF選びのコツ コストが運用成績を左右する
信用取引のリスクと影響力
上場前に買えれば高い勝率 IPO銘柄への投資は「アリ」
ソフトバンクグループ 現物株と個人向け社債 買うならどっち?
INTERVIEW│山崎 元●経済評論家STEP3 応用編
外貨建て保険 中途解約で大損の憂き目も
終身・変額・長寿生存保険 長寿に保険で備えるのは無理
仕組み債 VIXショックで大損害
外債 想定リスクが高い割には期待リターンが低い
ファンドラップ 高い運用成績は期待薄
初めての資産運用に役立つ「お金」の本20冊
50歳からの投資について私の思うこと
50歳からの投資についての私の基本的なスタンスは
- 「50歳は、投資を始めるには遅い」ということを自覚せよ。
- 自覚できない場合、投資はほどほどにして、長くはたらき年金繰り下げで底上げを図るのが正解。
というものです。
記事には、「生涯漫画家」西原理恵子さんと「生涯投資家」 村上世彰さんの対談が出てくるのですが、西原さんのお母さんが、いまだに西原さんの資産を管理している気になっているらしく、毎朝、
「増えちょうかね、損しちょるかね?」
と聞いてくるそうです。
これは、ある意味、高齢者を象徴しているような反応なのかな、と。
そう言えば、私の母が10年以上前にグロソブを買ってたときも、全く同じ反応でした。「高齢者は含み益がある状態でのホールドしかできないものだ」「自分も高齢者になったらきっとそうなる」と言うのが、私の教訓です。
認知症発症も視野に入れておくべき高齢者の投資はバイ・アンド・ホールドにならざるを得ませんが、気になるとダメなんですよね。忘れるくらいでないと。「含み益」となると、取り崩し期までに20〜30年の投資期間は欲しいところです。
年金は破綻しない。権丈さんへのインタビュー
本特集で、一番、読み甲斐があったのが、年金の超第一人者、権丈先生へのインタビュー。
覚えておきたいのが、WPP 「長くはたらく(ワークロンガー)」「年金までの中継ぎ(プライベートペンション(企業年金など))」「抑えの公的年金(パブリックペンション)」という考え方。私は、ワークロンガーをある意味放棄してしまいましたが、残りの二つはきっちり考えたいと思います。
年金は長生き保険であるということを理解してもらえない。年金が破綻していると政治家が叫ぶことの深刻な問題。わからず屋は放っておこう、という嘆きは、年金がどう言うものであるかを理解するのに大いに参考になります。
権丈さんの本は、以前も取りあげましたが、公的年金に批判的な意見を言いたいんだったら、その前に、まずは読めという必読の書。
本書には、「知識補給」と言うコラムがあって、最初に出てくるのが、「100年安心バカ」。政府は、「100年安心」なんてひと言も言ってないそうですよ。とある政党のとある人が、選挙中、うっかり「100年安心」と言ってしまった、とのこと。「国が「100年安心」と言っていたのにふざけるな」と言うのは、微妙に的がはずれている模様。
また、年金をうまいこと活用してやろうという方には、田村正之さんのこの一冊。オススメです。
以上、週刊東洋経済 2019年6月15日号 50歳からのお金の教科書のご紹介でした。
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