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2019年6月23日 (日)

年金のありがたい特徴を思い出しておく話

例の報告書は、いわば、「資産形成における現代ニッポン人のための論点図鑑」みたいなものなので、当ブログとしても、少しずつ観点を見つけては記事を書いていきたいと思います。

今回は、2000万円なくても大丈夫っぽい件。

70代になると足りちゃう年金のありがたい特徴

今回ご紹介するのは、報告書のp10の図です。報告書では、50代より60代で支出が約2割減少することが示されています。

20190623

・・・が、これ、よく見てください(オレンジ色の私が加筆した注記)。70代になると更に2割近く減少していて、ざくっと月20万円程度になっているのです。一方の収入は、年金とその他収入を合わせて、ざっくり20万円でしたから・・・・って、ん?そうです。

 70代は年金で足りちゃうんです。

年金には、「もらいだすと(マクロ経済スライドを除いて)金額は変わらない」という、ある意味では好都合、ある意味では不都合な特徴があり、これがプラスに作用するケースもあるという見方もできます。

高齢者が留意すべきこと

この辺を踏まえて、高齢者が留意すべきことを箇条書きにすると、

  • 支出が多い60代は働く(お金を使いたいんだからあたりまえ)。
  • 働きたくないというわがままを言うなら、60代から70代のように生きるべし。
  • それもイヤとわがままをいうなら、自助努力をしなさい。

年金が足りないからではなく、「いくつかのわがままをかなえたいなら」自助努力をしなさい、というわけ。ちなみに私は、3番目のわがままな人間です(笑)。

その自助努力は、そうですね〜〜。まずは、いたいけな国民を不安にさせるような報道をするような新聞の購読を止めるとか、不必要な不安で入っている保険を止めるとかで浮いたお金を蓄財に回してみてはいかがでしょうか。長い時間を掛ければ、だいぶ違うと思いますよ。

もちろん、不安ではなく、安心の呪文を唱えながら近付いて来る人々にも注意が必要ですから、自分のオツムで考えることが重要です。

気になる健康費用(介護や医療費用)も、本当に貧乏な(=住民税非課税)高齢者は、国や地方がとてもやさしく守ってくれます。ただ、たしかに、年金の減価につながるインフレやマクロ経済スライドへの対応としては、年金の繰り下げや、それこそ多少の投資などの対応は必要かもしれません。

余談

一連の話の本当の問題は、格差です。

もし、「r>g」、ピケティの法則が本当だったら(たぶん本当)、金融リテラシーの有無、自助努力すなわちリスクを取る取らないで、確実に格差が広がります。21世紀の日本は、戦後の高度成長期のように事業リスクを取った人の後にくっついて行けば、その成長パワーですべてをぶっ飛ばせる、わけではないのです。アラウンド2000年頃からそれは見えていて、当時のマネー誌、経済誌でもその種の特集はたくさんあったような気もします。私が投資を始めたこととも関係します。

そして今。まさに、ITバブル崩壊、リーマンショックに負けなかった人とそうではない人とのあいだに差が生じて来ています。それは、運不運とか金持ちだからとか、そういうことではなく、ほんの少しだけリスクを取る勇気を持つことができたかできなかったかに起因する格差。最近の一騒動は、既視感というか、今ごろ何を言っているんだ感が満載です。

世界から見れば豊かな日本人には、リスクを取る余地がまだまだたくさんあります。それは、他の先進国に比べて極端にリスクを取らない我が国の個人の金融資産の分析からも明らかです。そこを金融庁さんは心配しているのだと私は考えます。

もし、個人が動かなければ、戦後復興期よろしく、またしても官主導でリスクを取って投資をする方法を構築しなければなりません。

でも、それは、長期的に考えると20世紀後半の社会主義の失敗をトレースするだけでしょうし、個人の自由を失うことなのであります。

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