年金積立金の運用とは 2019
その1 増えています
まずは、気になるパフォーマンス。
我らが年金資産、着々と育っています。
運用資産額は、150兆6,630億円(2018年度第3四半期末現在)。2001年度から、年率2.73%、56.7兆円の累積収益。運用しといてくれて、ほんとに良かった。翻って個人に置き換えてみれば、この20年間、貯金しかしてこなかった人と、運用してきた人の間にできた差を推して知るべしというところ。
直近の2018年度第3四半期(10月~12月)は、-9.06%(期間収益率)、-14兆、8,039億円(期間収益額)ですが、長期のグラフで見ると、それほど大きな影響はないように見えますね。長い目で見ましょう。
その2 年金積立は年金全体の1割しかない
お次は、「年金財政における積立金の役割」というコンテンツ。5年前の財政検証の時の見通しがあります。(財政検証は5年に一度行われる。つまり今年が財政検証の年。)
現時点では、9割が、保険料と国庫負担で賄われていて、積立金は残りの1割に過ぎません。今の計画では、おおむね100年掛けて、積立金を取り崩していく計画で、少しずつ積立金のウェイトが上がって行ってますが、全部が積立金の取り崩しになっているわけではないのです。
その3 安定のポートフォリオ
最新のポートフォリオがこちら↓
ほぼ、目標通り。最近、若干、外国債券比率が上がっているのかな?
個人的には、外国債券クラスは必要なのか?なぜ為替ヘッジしないのか?というところに疑問があったりはしますが、最も重要なことは、決めた資産配分をじっと守ることにあります。長期投資家のお手本の一つです。
その4 年金って持続可能なのかが気になったら
時折、「年金って持続可能なの?」という話が出てきますが、どういう考え方で持続させようとしているのかもインプットできます。
に次の4つが挙げられていました。
- 保険料水準の固定方式の導入 →保険料がむやみに上がらないようにする。
- 給付水準を自動調整する仕組み(マクロ経済スライド)の導入 →経済情勢に合わせて徐々に年金額を減額する
- 基礎年金国庫負担割合の引上げ →税金で支える部分を増やす。
- 積立金の活用 →これがGPIF。長期的には年金資産を増やしてはおきたい。
時間をかけて、年金という壮大な仕送りシステムが、うまいバランスポイントになるようにしましょうという考え方です。とは言え、状況に合わせて、軌道修正も必要です。それを考えるのが、先にも述べた、5年に一度の財政検証。
その5 長期分散投資の基本も勉強できる
GPIFの運用は、私がやっているようなインデックスファンドを活用した長期投資のお手本です。基本的なことは、実はここに書いてあります。
以上、GPIFのサイトのご紹介でした。
というわけで、「年金をリスク資産で運用してるってどういうこと?」「年金制度って破綻するって本当?」って思ったら、まずは、当サイトの情報を通読してみましょう。相手のことを知りもしないで文句だけ言うっていうのは、少々、残念ですからね。
ご参考
前回、GPIFについて、ご紹介したときのエントリーは、こちら↓
この話は、年に1度くらいは取りあげて、思い出してみたいと思います。
コメント