令和元年5月のインデックスファンド信託報酬値下げまつり
「令和記念セール」というわけではないとは思いますが、インデックスファンドの値下げラッシュ。いろいろな方が取りあげていますが、シュアな記事でおなじみのインデックス投資日記@川崎、kenzさんの記事をご紹介します。
- iFree TOPIXインデックス等3ファンドの信託報酬が最安値に6月以降引下げ
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド VTIの経費率引下げに伴い信託報酬引下げ
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の信託報酬が0.15%に引下げへ
- ニッセイインデックス6本の信託報酬が最安に引下げへ。ニッセイ外国株式は0.0999%に引下げ!
<6/5追記>
令和元年5月 インデックスファンドが続けざまに値下げ
まだまだ下がるファンドが増えるかもしれませんが、kenzさんの記事で取り上げられているインデックスファンドの信託報酬の変更をまとめてみます。
ファンド | 現信託報酬 (税抜) |
新信託報酬 (税抜) |
---|---|---|
iFree 日経225インデックス | 0.159% | 0.140% |
iFree TOPIXインデックス | 0.159% | 0.140% |
iFree 日本債券インデックス | 0.140% | 0.120% |
楽天・全米株式インデックス・ファンド VTI | 0.160% | 0.150% |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.160% | 0.150% |
<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド | 0.159% | 0.140% |
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド | 0.159% | 0.140% |
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド | 0.109% | 0.0999% |
<購入・換金手数料なし>ニッセイ国内債券インデックスファンド | 0.139% | 0.120% |
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンド | 0.170% | 0.140% |
<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型) | 0.159% | 0.140% |
すべて、最安値水準のベーシス(0.01%)オーダーの対決です。
この中では、ニッセイさんが単独で最安値への値下げに踏み切ったのが、大きいかなあ。とは言え、eMAXIS Slimは、公約通り、短期的なアットコスト(投信単位の独立採算)は関係なく、追従するものと思われます。
<6/5追記>
三菱UFJ国際投信さん、公約通り追従しました。
雑感 令和元年のイス取りゲーム
ここに来ての値下げラッシュは、やはり、つみたてNISAに起因するものでしょうかねー。つらおさんのご参考ツイート。
ニッセイにしろeMaxisにしろ狙いはつみたてNISAかな。
— つらお (ズボラ投資) (@tsurao) 2019年5月23日
低コストインデックスファンド競争で勝ち残って、仮に300万口座まで増えて平均月2万円の買い付けがあれば、総購入額は600億円/月。ほとんどがインデックスFであり、この半分を取れれば月300億円=年3600億円。10年で4兆円規模になる。
つみたてNISAのファンドを選ぶ人は、次第にレイトマジョリティ的な行動パターンを取ることが想定されます。つまり、他人が何をやっているか気になっちゃうわけです。「量販店で売れ筋1位を買い、しかも、それ、正解商品」みたいな。
となると、初期の数年の純資産総額の絶対額や伸び率が、けっこう重要になって来ます。
でも、これは、チキンレースのようでいて、そうではないと思ってます。つみたてNISAの選択肢はほとんどインデックスファンド。皮算用してみると、もし口座が300万〜400万口座、あるいはそれ以上に増えたら、年1兆円は軽い。20年続けば数十兆円の市場規模です。
こうなると、気になるのが米国勢。今までは「日本の投信市場なんて小さすぎて話にならない」とばかりに直販してなかったり、微妙にコスト高めの商品設定だったりしたわけですが、まじでマーケットが10兆円、100兆円規模になってくると、米国の遺伝子とでも言うべき市場開放を叫んで攻め込んでくる気もします。たとえば、東証とニューヨーク証券取引所の合併とか。
私は日本人なので「2010年代のあのとき、直販に踏み込んでいれば、よかったのにー」と言って、将来、溜飲を下げたいと思う今日この頃なのではあります。でも、そのころには、100兆円でも魅力的ではない時代になっているかもしれません。
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