庶民長期投資家がプロに勝てそうな方法を思い出す
積立て始めて、初めて利益が出たとき、つい考えるのが利益確定です。せっかく儲かったんだからお小遣いとして使っちゃえ、とか。
ありがちな思考パターン
ありがちなパターンに、こんなのがあります。
- 一度売ってしまい利益を確定してしまおう。
- (少し積み増して)積立は続け、そのうち、また利益が出たら、利益を確定しよう。
- これを繰り返せば、たしかに儲けは少ないけれど、着実に利益が積み上がるはずだ。
なかなか魅惑的な考え方です。上記の一文で気にして欲しいのは「たしかに儲けは少ないけれど」のところです。
些末なところで言えば、税金分、損という話があります。
- 利益を確定すると税金(譲渡益課税)を払わなければならない。
- NISAであれば譲渡益税はかからないもののせっかくの非課税枠を失ってしまう。
しかし、影響が大きいのは、長期投資が時間の関数であると言うところ。
庶民がプロに勝てそうな唯一の方法
最初に積みたてていた分の複利効果が減っちゃうんですよね。最初に利益を確定した後、株価が更に堅実に推移すると残念な気持ちになるわけですが、この残念な気持ちが累積して行くわけであります。もちろん下がってうれしい気持ちが累積していく可能性もあります。しかし、利益確定した後に株価が上がるか下がるかはフィフティフィフティ+期待リターンというところで、長期的に見れば、微妙に残念な気持ちになる確率の方が高そうだというわけです。
長期投資家は、ほったらかしている間に、数十年という長い目でみるとちょっとだけ表が出る確率の高いコインゲームが続いていることを忘れてはなりません。圧倒的に知識経験面でプロに負ける庶民投資家が勝てるワンチャンスが、このコインゲームに参加しないことなのです。
「ここで売ってどうする」です。
売らないための智恵は多々あるとは思うのですが、けっこう効果的なのが長期投資仲間を作ること。
手前ミソになりますが、当ブログのPCサイトの右サイドバーにずらっと並べてリンクしてある長期投資ブログを活用してみてはいかがでしょうか。今の日本の投資意識の中では、投資の話ができる人は身近になかなかいませんから、ネットを活用して、いわば「長期投資の心の友」を作るのはけっこう大事です。私も大いに助けられてきました。
- ご参考エントリー:「ここで売ってどうする」を共有する
長期投資家が売るべき時
とは言っても、長期投資家にも、売って良いとき、売るべき時があります。
- リバランスやリアロケーション(年齢、仕事の状況等によりリスクを下げたいとき)
- お金を「計画的に」使うとき
特に前者は、重要です。節税面から考えて、収入があるうちは「休むも相場」方式。「売らない」ではなく「リスク資産を買わない」ことで、リスクを下げていく方法も良いと思います。
後者は、最終的に老後にどれだけ残すかということとのトレードオフ。合理的な考え方ではあるのですが、バランス感覚が必要となります。時として、いっそ老後まで使わないお金を分離して積みたてておいた方が良いと言われるゆえんでもあります。
- ご参考エントリー:売らない投資家が売るとき
以上、すぐ忘れてしまうので、時々書いているお話でした。
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