「気にならない資産運用」を気にしてみよう
日経マネー研究所で、QUICK研究所の清家武さんです。「気にならない資産運用」と言う言葉が、個人的に気になって気に入りました。
つみたて投資を始めよう
さて、記事には、
DCの800万人とつみたてNISAの100万人、一般口座の200万人を合わせると、延べで1100万人が積み立て投資をしている。
ざくっと日本人の10分の1と書いてあります。稼ぎのある人を分母と考えれば、労働人口5000万人として、5分の1くらい? つみたて投資もいよいよアーリーマジョリティの時代に突入したのかもしれません。
もしも、これからの10年、20年、30年で資産形成に取り組んだ人とそうでなかった人の格差が広がったとしても、この格差は、政府や政治家のせいにはできません。自己責任の時代は冷たいと言われても、求められているのは、誰でもできる地道で普通の自助努力です。しかも、世の中的にはサインは出まくりです。
そして過ぎ去った時間は帰ってきません。帰らざる日々は懐かしむものであって、嘆くものではないのであります。
積立て投資だから儲かるわけではない
記事を読む上で、注意点があります。それは、積立て投資だから儲かるわけではないこと。
たとえば、1999年に、240万円一括で投資したときと、積立て投資した場合が比較されていますが、これは、ちょっと微妙です。資産の増加は、240万円×投資期間の面積(数学的に言えば積分値)で決まるので、確率的には、一括投資の方が資産増大の可能性が大きいのです。
ですが、サラリーマンには、重大な前提条件があります。
最初にポンと240万円用意できたら苦労はない
哀しいかな、損得勘定以前に、月々の給料から蓄財のための余剰を絞り出すしかないサラリーマンは地道に積み上げるしかないのであります。
このシミュレーション結果は、「積立て投資でもなんとかなるんだな」くらいの安心材料として活用すべきです。
日本債券が「気にならない資産運用」では必須
あと、日本債券は低リスク(低ボラティリティ)がゆえに「積み立て投資には向いていない」という表現になっていますが、日本債券を保有する目的は、うまいこと儲けるためではなく、リスクを取り過ぎないようにすることが主眼です。「気にならない資産運用」では必須の資産クラスです。
また、お金は持ってると、つい使ってしまいます。しっかり蓄財に回すという面でも、低リスクあるいは無リスクの資産を積み立てるというアクションは、とても大切です。
以上、積立て投資の真価は、投資手法としての損得ではなく「気にならない資産運用」にあるというお話でした。
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