高齢者になるまでに押さえたい金融リテラシー
日経さんです。
最後に「問題は投資家自身のリテラシー(知識や理解力)にもある」とあります。この記事に書いてあることとはちょっと違う、私なりの金融リテラシーを書いときます。
その1 増減は金額ではなく比率で判断しよう
記事のタイトルに踊る損失7兆円。「損失が投信全体で見たときにマイナス7兆円。リスク取り過ぎ」としてしていますが、このケース、比率で言えば、たかだかマイナス8%。このくらい低下するのは、あり得ることですので、動じないようにしましょう。
その2 何の商品を選ぶかではなくリスク資産の割合で見よう
記事では、「シニア層なら投信全体に占める株式型の比率は2~3割が妥当」という文言が出てきますが、ここは、「投信全体」ではなく、その投資家の持つ「金融資産全体」で考えたいところ。
株式100%の投信でもまったく問題ありません。
ポイントは、全財産の何割をリスク資産(投信)に投ずるかです。ここで、リスクを調整すれば良いのです。
むしろ、いろいろな資産クラスで組成されているような商品で頭を悩ますべきではなく、シンプルに株式100%の方が、高齢になって衰えゆく脳みそにはわかりやすい。魔法の商品は存在しないのです。
その3 ネット証券を選ぼう
記事では「投信販売会社の販売姿勢にも問題がある」との指摘があります。これは、まさしくその通り。
この対策としてオススメなのは、ネット証券を選ぶこと。なにしろ、ネット証券からは勧誘の電話はかかってきたことがありません。必然的に自分で判断できるようになる必要があります。というわけで、積極的にネット証券を選んでいるであろう、今の20代〜30代がシニア層になるころには、シニア層の金融リテラシーは上がっていると思います。
一方、今のシニア層で証券会社に相談してしまうような人は、投資しない、または、ペイオフ対策としての個人向け国債だけで十分と考えます。今の高齢者は、未来の高齢者に比べれば、はるかにましな年金受給ができているのですから、無理にリスクを取る必要はないと私は考えます。
以上、3つほど、書いてみました。
魔法の商品は存在しない
やはり、ポイントは、魔法の商品、すなわち、うまいこと儲かる商品は存在しない、ということを理解するところにあるのではないでしょうか。
「うまい話があると思ってしまう」「自分だけはだまされない」「変な商品とわかっているが、うまいことやって逃げ切ろうとする」。これらが勘違いであることは、世のニュースを見ていれば、枚挙にいとまがありません。なぜ、だまされるんでしょうか。それは、金融リテラシーの有無とは別のところにあるような気がしてなりません。
コメント
> それは、金融リテラシーの有無とは別のところにあるような気がしてなりません。
確証バイアスというらしいです。
人は無意識のうちに、自分に都合のいい情報ばかり集めるものらしいです。
お金の不安はあるけど、それを解決する知識がない。
不安だけが募っていく。
そんな状態だと、自身のお金の不安を一気に解決してくれる、怪しい話にころっと引っ掛かってしまうのでしょう。
投稿: 見知らぬ男 | 2019年2月16日 (土) 20時14分
それは退屈と寂しさでしょう。自分が詐欺にひっかかったのも、そんな時でした。退屈対策は、どんなに堅実な人でも大事かも。
暇ではなくても退屈はある。
投稿: 島 | 2019年2月18日 (月) 07時29分
見知らぬ男様、島様、コメントありがとうございます。
「自分に都合のいい話ばかり集める」(確証バイアス)、「不安」、「退屈」、「寂しさ」。
根本原因がこのあたりにあるとすると、金融リテラシー向上とは別の努力が必要そうです。
投稿: NightWalker | 2019年2月18日 (月) 09時49分