アーリーリタイアと年金チェック
私は、迷っている人にアーリーリタイアをオススメしていませんが、諸事情でやむなくそう言う選択をせざるを得ない人もいらっしゃると思います。そう言う方に私がオススメしたいのは、資産の前にまずは年金をチェックすること。
その1 公的年金をチェックする
もしも、ねんきんネットに登録してなければ、急いで登録してください。
で、次のような条件で、試算してみます。
- このまま定年まで勤めたら年金はいくらになるか?
- 今、辞めたら、いくらに減るか?
- 受給開始を繰り下げたらいくらになるか?
- 加給年金はいくらか?(これは、ねんきんネットではわかりません)
「辞めるべきかもう少し先にするか、それが問題だ」というトレードオフです。
その2 企業年金をチェックする
最近は、企業年金(退職金とのシェア。一時金でもらえば退職金、年金でもらえば年金)がいくらもらえるか、計算式がオープンになっている会社も多いです。
で、これも、
- このまま定年まで勤めたら年金はいくらになるか?
- 今、辞めたら、いくらに減るか?
- そもそも、受給は何歳からできるか?
をチェックしてみましょう。これまた、「辞めるべきかもう少し先にするか、それが問題だ」というトレードオフです。
忘れてならないチェックポイントは、
- 終身年金が選べるか?
企業年金の永続性から選びたくないという人も多いと思いますが、もし選べるなら私なら迷わず、終身年金です。公的年金控除で、年70万円以下は確定申告で還付され実質非課税。退職金が退職所得控除を超えちゃった場合、その分は、年金でもらうと、節税になることもあります。
自分専用のベーシックインカムを作る
年金は、言ってみれば、リタイア後のベーシックインカム。リタイア生活では、インカムゲインがものすごく大きな心の支えになります。年金以外にも、「株式資産の合理的な収益(たとえば配当金)」「副収入源」などなどを積み上げておくことは大切だなー、というのが今の私の実感です。
資産の取り崩し計画の前に、自分専用のベーシックインカムの構築をまずは検討したいところです。
余談
完全な余談ですけど、私、年金制度にひとつの矛盾を感じています。それは、年金は仕送りの社会制度化のはずなのに、普通の仕送りでは考えられる子供をたくさん作った人の仕送りが増えるという機能が盛り込まれていないこと。遠い未来に本当に少子化がまずい段階に来たら、年金の受給額を多少はコドモの数にリンクするような制度改革が、親権がらみを含めた結婚制度の改革とセットであるかもしれないなあ、などと妄想する今日この頃です。
インデックス投資本だけどアーリーリタイアチェックもあるおトクな一冊。Kindle版がでました。
コメント
タイムリーな記事をありがとうございます。
年金はラフな概算しかしていなかったので、そろそろちゃんとシミュレートしようと思っていたところでした。
余談の部分ですが、子どもの数というのは目から鱗でした。確かにそういう考え方があってもいいですね。
(障害年金と遺族年金には、そうした概念はありますけれど)
投稿: 傘張り浪人 | 2019年2月 2日 (土) 07時07分
>傘張り浪人様
コメントありがとうございます。
最近出てきた「全世代型社会保障」というのは、実に耳に聞こえが良いです。ただ、こういう耳に聞こえが良い制度というのには罠があるというのが私の考え方です。「ゆとり」とか「安心」の冠が付いたシステムもしかり。
ここには、コドモにもまったく平等に支払われるベーシックインカム的な指向を私は感じたりするのですが、その分、現行の社会保障は減るでしょう。で、コドモに支払われたお金を「減った社会保障の補填と考えられる人」と「きれいさっぱり使ってしまう人」に二極分化するかもしれません。もしそうなれば、後者の人たちは、老後苦労することになりかねません。言わば、アリとキリギリスのキリギリスさんたち。であれば、子育てという労苦に対する報酬は、後払いの方がいいのかなと。退職金やその自助努力である確定拠出年金もそういう人間の行動パターンを見据えたところがあるように思います。
割引率を考えた場合、前払いの方が安上がりになる可能性がありますが、みんながみんな、そう合理的に自助努力ができるかどうか。
投稿: NightWalker | 2019年2月 2日 (土) 09時37分
子供にリンクした年金制度というのも一つの策かもですね。
ただ、子供がいない人と独身者への差別とか言われそうです(選択した事であったとしても)。
子供への支給という目的で、子ども手当というのが無難な気がします。
親としては大学まで進めた段階で、子ども手当?どこに消えたっけ?かもしれませんが。
うちは子なしですが、老親をみていると子どもはいてくれた方が良いと実感します!
生活上の細々や手続きなど覚束なくなったら…、他人に頼るのもどこか不安。
お金もだけど、家族の存在を今一度大切に思い出してほしいです。本当に。
話が逸れてしまいました…。
投稿: ミント | 2019年2月 2日 (土) 12時19分
>ミント様
コメントありがとうございます。
差別は言われそうですね。一方で、家族を作る幸せからの搾取、逆差別という考え方もあります。何ごとも平等はむずかしいですよね。
私の雑談は、その子ども手当を、前払いにするか、後払いにするか、両方かって話です。あとは、多すぎる大学の削減とセットで、大学の学費の自己負担大幅削減を実現してくれた方がありがたかったかなあ。
介護は、ただいま実感しているところです。家族に頼ることが前提の在宅介護と施設介護とでは月1人あたり10万円は差額がありますし、おっしゃるような他人に頼る不安感もあって、家族に頼ると、特定の家族に月10万円では計れない心労がのしかかります。他人にまかせる成年後見人制度は、不安のみならず金銭的にも負担大。月2-3万円はかかると言われています。
>家族の存在を今一度大切に思い出してほしい
本当におっしゃる通りですね!
投稿: NightWalker | 2019年2月 2日 (土) 16時01分
NightWalker様、大学の学費は自分の頃を思うと驚きです(子供がいないので最近知って…)。私は短大でしたので余計に。
少子化なのに大学が減らないのも変ですね。
介護は実はあまりに田舎ですと、子世帯が遠くに住む場合、子の近くの施設に入居させる事も多々あります。
良し悪し、親子の気持ちの問題、生活が成り立つかどうか等から、できる事できない事を決めるしかないでしょうか。
老後のお金に囚われて、独身や子供なしがいいとの声をたまに聞きますが、近視眼過ぎると思います。
また、相続ってお金を残す事ばかりじゃなく、貯める増やす、使う知恵を授ける事が大切だと思います。
NightWalkerさんのように。
どうか精神的にも疲れすぎないように、お身体にお気をつけ下さい!
投稿: ミント | 2019年2月 3日 (日) 09時46分
>ミント様
>老後のお金に囚われて、独身や子供なしがいいとの声をたまに聞きますが、近視眼過ぎる
ひとそれぞれですけど、私もそう思います。
投稿: NightWalker | 2019年2月 4日 (月) 00時10分