インフレとリスク資産比率
ときどき、インフレ耐性のためにリスク資産が必要だみたいな話を書いていますが、どのくらいリスク資産を持っとけば良いのでしょうか。どの辺に「しきい値」があるのか、ちょっと考えて見ました。
インフレに耐えるために必要なリスク資産比率
インフレを加味して、いろんなリスク資産比率での実質の期待リターンを計算するという単純な表です。条件は以下の通りです。
- リスク資産 →実質期待リターン(インフレを加味したリターンのこと)を一律5%
- 無リスク資産 →インフレ分単純にマイナスリターン。
リスク資産比率 | インフレ率 | |||
---|---|---|---|---|
0% | 1% | 2% | 3% | |
10% | 0.5% | -0.4% | -1.3% | -2.2% |
20% | 1.0% | 0.2% | -0.6% | -1.4% |
30% | 1.5% | 0.8% | 0.1% | -0.6% |
40% | 2.0% | 1.4% | 0.8% | 0.2% |
50% | 2.5% | 2.0% | 1.5% | 1.0% |
60% | 3.0% | 2.6% | 2.2% | 1.8% |
70% | 3.5% | 3.2% | 2.9% | 2.6% |
80% | 4.0% | 3.8% | 3.6% | 3.4% |
90% | 4.5% | 4.4% | 4.3% | 4.2% |
100% | 5.0% | 5.0% | 5.0% | 5.0% |
日銀は、インフレを2%くらいにしたい、と言い続けていて、ちっともなりませんが、もし、ほんとにそうなっちゃったら、リスク資産比率が30%程度はないと実質価値が目減りしていきます。
まあ、実際は、定期預金にも多少は金利が付くでしょうから、それを加味したとしても、高齢者と言えど、リスク資産比率は10〜20%くらいは持っていきたい。なんとなく個人的な感性とも、この比率はマッチします。
インフレの時代が来たらやっておくべきかなと思っていること
インフレの時代が来たらやっておくべきかなと思っていることがあります。それは、金利が下がると値上がりするタイプの普通の日本債券の組入。ただ、それは、インフレが来てから、すなわち、金利がある程度上がってからで良いかなと思っています。
一方、そうはいかないのが、リスク資産です。本当にインフレ耐性が資産に求められるのは働かなくなる(働けなくなる)本当の老後です。ところが、年齢的にリスク許容度は下がり、今更リスクを取りづらい状況になっているという大いなる矛盾。
やはり、リスク資産は、リスクが取れる現役時代に少しずつ増やしておくのが無難なストーリーです。
インフレは本来、資産にとってはマイナス要因で、日本のように「インフレになりますように」「自国の通貨の価値が下がりますように(円安になりますように)」と国民が願うのは、いささか奇妙な姿ではあります。
コメント
うちはリスク資産比率50%なんで2%のインフレが来てもなんとかなりそうですね(笑)。現金比率が高いと安心感がありますし、不景気になればドカンと株が買えるぞ~となるかも(そんな風にならない気がしますが)。
リスク資産比率50%で1.5%の数字を覚えておくといいですね。60%になれば2.2%と0.7%刻みで増える感じ。インフレに負けないようにするには金融資産を持つか、頑張って仕事するですな。
投稿: くまさん | 2019年1月22日 (火) 21時37分
>くまさん様
コメントありがとうございます。
>頑張って仕事する
これが最強なのですが、「働けなくなる」こともあるので金融資産は大切ですね。
投稿: NightWalker | 2019年1月23日 (水) 10時32分