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2018年11月11日 (日)

ひふみ投信とセゾンバンガードとSTMグローバル株式のインベスターリターンの比較 2018/10

金融庁さんのレポートです。ここに「運用損益別顧客比率」というのがあります。ちょっと前から話題になっていますが、ここでは 販売会社ごとにお客さま(投資家)の損益の分布を見てみるという試みがなされています。

投資家視点のリターン

金融庁さんのレポートは販売会社ごとですが、ファンドであれば、投資家の視点でのリターンとして、インベスターリターンというのがあり、モーニングスターさんでファンドの情報を見てみるとわかります。

トータルリターンというのが、普通の評価額の推移。一方、インベスターリターンは、資金の流出入を加味して計算することで、そのファンドに投資した人の平均的なリターンを算出したものです。モーニングスターさんの解説(投資家の本当の“儲け”が分かる「インベスターリターン」とは?)によると、

多くの投資家が高値掴みをしたファンドのインベスターリターンは低くなる

とのこと。

ふと、思い立ち、以下の3ファンドのインベスターリターンを見比べてみることにしました。 (それぞれ、インベスターリターンのページにリンクが張ってあります。)

ひふみ投信とセゾンバンガードとSTMグローバル株式のインベスターリターンの比較

2018/10/31 での 10年(年率)のリターンです。3つのファンドは投資手法も投資対象も全く異なるファンドですから、リターンの絶対値を見比べること自体には全く意味がありませんので、念のため。

リターンひふみ投信セゾン
バンガード
SMT
グローバル株式
(1)インベスターリターン 10.67% 6.77% 11.68%
(2)トータルリターン 16.46% 7.22% 11.61%
ギャップ (1)-(2) -5.79% -0.45% 0.07%

この10年が、バイ・アンド・ホールドの時代だったことをうかがわせる好パフォーマンスですね。もちろん、今後の10年は、どうなるかはわかりません。

「わけのわからない行動をする人」が乗っていないか?

さて、インベスターリターンを見る上でポイントとなるのは、ギャップの部分です。そのファンドの販売者と受益者の行動特性をなんとなく想像できるわけです。

で、気になるのが、ひふみ投信のそのギャップが大きめであること。

もちろん、だからといって、ひふみ投信がダメというわけではなく、単にここ数年の資金流入が大きくなったのが要因と思われます。

アクティブファンドは、投資家と運用者の二人三脚ですから、あまりギャップの大きいファンドは、長期投資家としては歓迎しづらい面もあります。長旅をともにする船に、もしも、船全体を揺るがすような右往左往をする、いわば「わけのわからない行動をする人」が同乗していたりすると困るわけです。

インデックスファンドは、仮にそのファンドに「わけのわからない行動をする人」が乗っていたとしてもそれ自体の影響は、償還リスクや多少のトラッキングエラーぐらいでしょうか。基本は、市場全体を投影しているだけのファンドです。

ただ、その肝心の市場全体で「わけのわからない行動をする人」が増えてしまうと困るのは、過去のバブルの物語が語るところです。

いずれにせよ、長期投資家としては、長い目で見るしかないのかもしれません。

余談

この3つのファンドの10年の長期リターンを俯瞰することができるようになったことが、個人的には感慨深いです。これらのファンドが生まれた2007〜2008年。ある意味、日本の投信にとって転換の時期だったのかもしれません。

さらに、5年後、10年後、どうなっているのか。楽しみです。

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