バイ・アンド・ホールドの時代ばかりではないという話
前回のエントリーで、バイ・アンド・ホールドの時代という言葉を使いましたが、長期投資家として肝に銘じて置くべき相場の流れがあります。
長期投資家が抑えておくべき相場の流れ
それは、中長期視野で見たときの相場には、次の2つがあること。
(1)長期上昇期(バイ・アンド・ホールドの時代)
(2)長期低迷期(バイ・アンド・ホールド不利の時代)
わかりやすい例が毎度おなじみニューヨークダウの長期推移。縦軸は対数。(ご参考エントリー:1928-2018 ダウ平均 の長期推移)
常に有利な投資法はない
私はというと、長期低迷期を意識した投資を軸とするタイプ。過去が(1)の時代なのか(2)の時代なのかはわかりますが、今からしばらくが、どっちの時代なのかは、わからないためです。乗り切るキーワードは、以下のようなありふれたもの。
- 分散投資
- リバランス
- つみたて
- キャッシュポジション(リスクコントロール)
- はたらく。(収入を得る)
私のこの作戦の問題点は、「バイ・アンド・ホールドの時代にはリターンを低下させてしまう」こと。で、私は、それを容認してます。常に有利な投資法はありません。私が、投資とは続けることに価値があり、生涯続く長期投資はある種の必然と考える人だからです。
ありふれた毎日も、長く続けていると、そうではない毎日を生むことだってあるのです。
余談
注意した方が良いかも、と思うのは、たとえば、こんな成功譚。
- 投資を20年前に始めた。
- 最初の10年は、売ったり買ったりする投資法だったが、一進一退だった。
- 10年前に投資法を変え、バフェットやピーターリンチを勉強して優良銘柄(割安株など)への長期保有型の投資をすることにしたら、儲かった。
- この方法は、古くからある投資の王道。勉強すれば誰でもできる。
みたいな。
リーマンショック後10年間続いたバイ・アンド・ホールドの時代だったがゆえの成功譚だった可能性もあるわけで。この辺は、注意しながらお話を聞く必要がありますね。
コメント
余談の部分をうちの場合は・・・
・投資を2001年に始めた
・最初はそこそこ売り買いをしたが損のほうが多かった
・5年ほどして長期保有にシフトした
・景気低迷期だったのでポートフォリオはマイナスが多かったが、配当、優待目的で損切りはしなかった
・景気が悪い時に買ったので景気回復期には株価は回復した
・銘柄によっては未だにマイナスのものもあり、長期保有すればよいわけでもない
投稿: くまさん | 2018年11月12日 (月) 20時12分
>くまさん様
コメントありがとうございます。
>長期保有すればよいわけでもない
リーマンショック後、またしても日本だけ低迷、米国を中心に世界は伸張、みたいなシナリオもあったわけです。その場合、最近よく聞く、日本株のバリュー投資や中小型株投資の成功譚はなかったかもしれません。
投稿: NightWalker | 2018年11月12日 (月) 23時57分
いつも、良記事ありがとうございます。
2009年から本格的に資金運用を始めました。
時期が良かったと思いますが、めちゃな取引もしたのですが、
さいわい大きな損失はなく、過ごせました。
いまは、世界株ファンドのつみたてNISAをする一方、キャッシュ比率を下げないことにしています。
ただ、昨年2ー3月に個別株式の総入れ替えをして、優良株の長期保有に切り替えたところで、
ご指摘にはドッキとしました。
投稿: かもねぎシニア | 2021年8月 9日 (月) 09時27分
>かもねぎシニア様
古い記事にコメントありがとうございます。これコロナショック前の記事なんですよね。アップデートしておこう。晴れの日ばかりではなく、雨の日も、氷河期もあるということは考えておきたいですね。
投稿: NightWalker | 2021年8月 9日 (月) 10時54分