分散投資の効果について整理してみる
分散投資の効果について整理してみたいと思います。
はじめに
分散投資とは、異なる動きをする資産を組み合わせることです。以前もご紹介しましたが、分散投資の意義が一発でわかる図として、オススメしたいのが、モーニングスターさんのサイトです。
↓クリックすると大きくなります。
出典:モーニングスター
基本その1 分散投資をする理由はリスク低減
分散投資の効果はリスク低減です。分散したからといって、損しないわけでもリターンが増えるわけでもありません。凡庸なリターンの代償にリスクの低減が得られ、結果、市場での生き残りの確率が上がり長期投資の面で有利となる、というのが、分散投資に対する期待です。
注意点は、分散しても消えないリスクがあること。マーケットが持つリスク自体が消えてしまうわけではないのです。
マーケットが持つリスクは、けっこう大きく、時にリスク資産が半分以上減ってしまうことがある、というのは、古くは1929年の大恐慌、直近ではリーマンショックで、みなさまご存じの通りです。
もちろん、だからと言って分散はムダだと言うことではありません。もし分散しなかったら、更にとんでもないことになったりすることもあるわけですから。
基本その2 分散の基本は株式と債券
分散効果を得る基本は、株式と債券の組合せです。
- 株が上がる→中央銀行が金利を上げる→債券価格は下がる
- 株が下がる→中央銀行が金利を下げる→債券価格は上がる
という力が働くことになっていて、逆相関が期待できたからでした。
昨今は、80年代から先進国の金利がどんどん下がり、低金利時代になってしまい、債券の期待リターンの源泉である金利パワーを使い果たしたような状態になってしまっていて、上記効果の寄与度は減っていると言う事情もあります。逆相関の機能に過大な期待はできません。(米国は、気合いで金利を上げていて、このシステムの存続への執念すら感じたりはします)
ですが、債券がリスク低減の要であることには、変わりありません。ただ、こと、日本の債券においては、強制的に金利ゼロという前代未聞の状態にありますので、当面のリスク調整役は、長期債券ではなく、短期資産の方が良いというのが私の思うところではあります。
以上、たまには、基本ということで、分散効果に関するまとめでした。
- ご参考エントリー:株式債券比率についてあれこれ考えてみる
コメント
日本個別株でも20銘柄も持てば分散効果が期待できます(あくまで日本株だけですが)。日本債券は期待値が低いんで現金・預金で寝かせてもそう変わりがないので、いつでも出動出来るように株主優遇定期(普通預金+0.2%)に預けてます。
投稿: くまさん | 2018年9月25日 (火) 22時12分
>くまさん様
コメントありがとうございます。
>20銘柄も持てば分散効果
大型株でセクターを分散するのがコツと言われていますね。
投稿: NightWalker | 2018年9月25日 (火) 22時50分