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2018年8月 3日 (金)

自分好みのポートフォリオを探す旅

先日インデックス投資ナイトでもお会いしたhassさんから、拙著にご書評をいただきました。ありがとうございます。

hassさんからは、インデックス投資の最適解は「時価総額比」だと言っておきながら、自分の好みでポートフォリオを修正しても良いのか気になるというご指摘がありました。たしかに、「ポートフォリオ作りは10年かかっちゃうし、追々、研究してみましょう」では、ちょっとさみしかったかしら。

これには、あくまで私個人の考えですが、大きく技術的な理由と感性的な理由の二つがあります。

技術的な理由

(1)市場は必ずしも効率的ではない。

最適解となる点(シャープレシオ最大)が時価総額比になるためには、市場が効率的である必要があるのですが、必ずしも市場は効率的ではないと言われています。

(2)計算パラメータに決定打がない。

4章でちらっと書いたところではありますが、現代ポートフォリオ理論のモデルの3要素(期待リターン、標準偏差、相関係数)の値は、ころころ変わります。あるいは、さじ加減次第(特に期待リターン)というところがあり、残念ながら決定打がないのです。

(3)無リスク資産の影響が大きくなりがち

リスク選好度が極端に高い場合を除き、実際のポートフォリオでは、無リスク資産の影響が大きく、リスク高めの資産同士の組み合わせはあまりこだわらなくてもよいのではないかと、私は考えています。

<ご参考エントリー>

感性的な理由

ひとには、好みというものがあります。

日本株が好きな人もいれば、新興国株が好きな人もいます。米国が好きな人もいればインドが好きな人もいるでしょう。最小分散(リスクの小さくなる組合せ)が好きな人もいれば、高配当などスマートベータ的な方向が好きな人もいます。とにかく等額分散だという人もいます。誰がなんと言おうと私の師匠はGPIFと言う人もいるかもしれませんね。

一方、下記のエントリーの三菱UFJ国際投信さんのリスクリターンの図でもわかるように、極端な組合せでなければ、どんな組合せであっても、それなりの分散効果が得られます。 

であれば、好みのポートフォリオで投資を続けた方が、長続きするのではないでしょうか。

自分好みのポートフォリオを探す旅

自分のポートフォリオをどうするかについては、いろんな考え方の集合体。たとえば、上記にしたところで、私の考えに過ぎません。ポートフォリオは、ひとそれぞれの研究課題であり、いわば芸術作品です。

そして、実感として、

  • ポートフォリオ作りには10年かかる

のです。

長期投資のリスクを乗り越えるためにも「勉強しないはあり得ない」ですし、そのくらいのスピード感でもいいんじゃないの、というのが私の意見です。

何ごとも「自分好み」を見つけるのはたいへんですが、一方で楽しいことでもあります。

拙著へのご書評ありがとうございます!

たくさんのご書評をいただいております。本シリーズは、御礼方々、いただいたご書評からお題を頂戴して書き綴るシリーズです。ご書評は、こちらのエントリーにまとめておりますので、ぜひ、見てくださいね。

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コメント

うちの場合は日本株は株主優待をもらい銘柄、株価が安く業界で上位の銘柄などを中心に投資してます。一時期配当金で毎月10万円もらえたらいいなぁ、なんて思った頃もありましたが、無理っぽいので配当は「おまけ」と思ってます。
そんなある意味適当なポートフォリオ?でも銘柄分散出来てれば案外暴落にも強いもので過去の暴落にも売却しようと思った事はありませんでした。結果的に資産は倍増なので、やはり株式の自己増殖は今のところうまくいっております。

投稿: くまさん | 2018年8月 3日 (金) 20時08分

>くまさん様
コメントありがとうございます。
個別株の場合、業種が偏っていなければ、比較的少ない銘柄数でも分散効果があっていいみたいですね。

投稿: NightWalker | 2018年8月 4日 (土) 00時29分

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