企業型 確定拠出年金の商品も改善される?
東洋経済さんです。確定拠出年金アナリストの大江加代さんによる記事。
企業型 確定拠出年金の商品もついにレベルアップか
ここに、さりげなく、すごいことが書いてあります。
現在利用している商品が除外される可能性が高いのは、iDeCoよりも、むしろ企業型のほうです。実は、今まで公表されていなかった企業型の提示商品一覧が2019年7月1日には各金融機関のホームページに公表されることになったため、同じ投資対象・同じ運用手法であるにもかかわらず、高い手数料や明らかに劣る運用成績・利回りの商品をラインナップしている企業については、商品の見直しが促されるのは必至だと思います。
なんと、来年、2019年7月1日には
- 企業型の提示商品一覧が各金融機関のホームページに公表される
のです。早い話、非常に残念な商品を並べているDCは、白日の下にさらされるわけです。
もちろん、そのまま、非常に残念な商品を並べたまま公開するということもできます。しかし、その場合、その金融機関に石つぶてが「上の方から」も「下の方から」も飛んでくることは、想像に難くないところです。特に「上の方から」は痛そうです。
というわけで、非常に残念な商品が並んでいる企業型DCに加入されているみなさんにとっては、この動きは、朗報ではないでしょうか。
余談その1 手数料ビジネスの終焉?
この動きもそうですが、銀行などが儲けどころにしたいと考えている手数料ビジネスは、いよいよ厳しくなっているように思えます。この世界で生き残るのは、規模を大きくしコストを下げることのできる大手のネット系金融機関だけかもしれません。っていうか、私は、ネット系の金融機関が、もはやメインで10年以上過ぎてます。
まあ、あたりまえで、ローリスクで、右から左、タバコを1ミリずつ吸って回すような、ちゃっかりしたビジネスが、何十年も続くはずがありません。銀行の生き残りの道は、「手数料ビジネス」ではなく、「投資」ではないでしょうか。お客さまにも、ローコストの優良商品を通じて、健全な投資をしてもらい、自らは、プロの名に恥じない投資をして稼ぐ。
そんな姿が求められているような気がします。
余談その2 私の選択
そして、今後、起こるんだろうな、と思っているのが、金融業界、ことに銀行のリストラです。それは、いままでのように、単に、M&Aで会社の外向きの数を減らすということではありません。ほんとに人員が減り、一部の職種を除いて給与水準が下がるのです。
拙著の冒頭と第6章には、私がアーリーリタイアするに至った大きな時代背景があります。それは、製造業の衰退。付加価値が相対的に低くなってしまった仕事は、海外へシフトしたり機械に置き換えられていきました。それが、金融業界にも起こるのではないかというお話です。
さて、ここに二つの道があります。
- 一念発起、新しい企業でがんばったり、起業する。
- 一念発起、合理的な判断のもとに自立の道を選ぶ。
私は、結果、後者です。
金融業界の人は、私と違ってお金のプロです。そんなみなさんに、私の選択がどのように映るのか聞いてみたい気もします。
コメント
勤務先が昨年、企業型DC(選択制)を導入しましたが、担当金融機関が地銀で、ラインナップされているインデックスファンドが10年ほど前のレベルの信託報酬だったので、マネックスでイデコに加入しています。
この地銀の場合、イデコでのラインナップ(ホームページで公表)と企業型DCでのラインナップがほぼ同じなので影響はない(開き直る)と考えていましたが、もし、企業間で差異があった場合は、これは問題になりますねえ(顧客本位の業務運営に関する原則)。
もう少し早くやってくれたらよかったのに。
投稿: はーぶ | 2018年8月25日 (土) 22時18分
>はーぶ様
コメントありがとうございます。
>もう少し早くやってくれたら
昔は、一般的にはDCの方が信託報酬率が低かった→普通の投信の信託報酬は徐々に下がり、つみたてNISAでとどめ。普通に買う方が安くなった→競争原理の働くiDeCoの商品は追従して安くなった→一部の企業型は取り残された→企業型の加入者の不満がお上に届き、まずは事実を公表することを宣告(いわば執行猶予)(今ここ)
みたいな感じですかね。
信託報酬の問題は氷山の一角で、もっと全体的にすっきりしたかたちにした方が、利用者はうれしいと思うんですけど。どうなんでしょう。企業型なんて廃止して、一生使える共通インフラ(個人型?)に企業が拠出するかたちにして行くみたいな。。過去の企業年金優遇制度などとのバランスを取ろうとしたため、いろんなほころびが出てきているように感じます。
投稿: NightWalker | 2018年8月26日 (日) 14時44分