東証 ETFマーケットメイク制度の次に望まれるのは?
日銀の政策関連でETFの話も出てましたね。(日銀、長期金利目標は上下にある程度変動-ETF買い入れも見直し(bloombergさん)) そんなETFですが、今日で丸1ヶ月のマーケットメイク制度。東証マネ部さんです。
マーケットメイク制度の効用はどんな感じ?
マーケットメイク制度で注目しているポイントは、3つあります。
- スプレッド(売り注文と買い注文の価格差)の縮小
- 基準との乖離率
- 取引高の増加
売買代金、乖離率は、グラフ化して、もう、ちょっと、見やすくした方が良いんじゃないかという気もしますが、どれも、成果は出てきているようです。あとは、どう浸透していくかですね。制度改革に取り組んでいらっしゃった東証さん、関係者のみなさまお疲れさまでした。
ただ、はっきりいうと、ETFは、これだけでは、盛り上がらないと思います。理由は簡単です。いまや、商品としてのETFの魅力が、
インデックスファンドに完敗している
からです。
もしも、ETFを活性化したいと考えるなら
日本の特殊事情、そして、金融庁が総力を挙げて取り組む「つみたてNISAムーブメント」もあって一気に状況は変化しました。昨今のインデックスファンドは、指数が配当込み(あるいは実質配当込み)で再投資が自動的にできる上に、先進国株式クラスに至っては、ETFより、はるかに安い信託報酬率ですからね。
以前、ムック本の取材があったとき、ETFのいいところは、「分配金があること」と回答しましたが、これは、アーリーリタイアしている人間としてのホンネ半分、皮肉半分というところです。
もしも、ETFを活性化したいと考えるなら、
信託報酬率を安くする。
これしかないんじゃないでしょうか。 あくまで、長期投資家目線です。
余談
よく、日銀がETFを買うのはおかしい的な意見がありますが、私は、「それもそうだが、個人が買わないのもおかしい」と言う意見です。観点は、二つあります。
- そもそも、個人が株式投資をしなさすぎる。
- そもそも、東証一部に上場している企業が魅力がなさ過ぎる。
前者は、金融庁さんがんばってます。つみたてNISAなどのムーブメントの流れに期待です。
後者は、官公庁で言えば、経産省の企業育成政策。ことに古い企業中心の財界にメスを入れるようなリーダーがでてくれると良いんですけどねー。世界と戦える企業が新しく生まれる、あるいは古くからある企業が変化していないといずれ過去の資産を使い果たす・・・とは、良く聞く話です。
東証の上場基準にも厳しさが欲しいところなのかもしれません。
インデックス投資は、長期的な株式価値の増大にかかっています。いわば、「市場のがんばり」に期待する投資なのであります。
このスタンスは、「おまえが、がんばれ」と、時折、インデックス投資家がおしかりを受けてしまうところでもあります。アーリーリタイアしちゃったので、個人的には、「サラリーマンは、仕事でがんばっているからいいんです!」・・・とも言えなくなってきちゃったしなー(^^;)。
「日経平均連動型を減らし、TOPIX連動型を増やす。」という政策変更には賛成です。今ごろ気付いてどうするというか。ホンネを言えばTOPIXでも不十分で、もっと広く日本全体に投資できるインデックスの登場が待たれますね。
コメント
うちも野田政権末期に日経225ETFを4口買いましたが、投信と違い購入単価が高い傾向、株式と違いミニ株で分割購入できないなどでそれっきり購入したことがありません。商品特性上やむを得ないとは言え、投信との優位性はありませんね。
投稿: くまさん | 2018年8月 2日 (木) 06時09分
高配当のETFの充実
65歳を越えて、「積立」から「取り崩し」世代に移行したら、投資信託よりETFの方が便利です。高配当のETFを「売らずに長く持つ」「安い時に追加購入する」を実践してます。
現在は「1343」「1577」の二銘柄を保有しています。現在は高値なので、買い控え状態です。
使わない年金を貯めて、チャンスを楽しみに待っています。
投稿: オークX32 | 2018年8月 2日 (木) 09時22分
みなさまコメントありがとうございます。
>くまさん様
野田政権のはるか前、小泉政権の頃だったか、竹中さんが「ETFは儲かります」と言ってしまい物議を醸した頃には、明らかに信託報酬で大きく優位性があったんですけどねー。
>オークX様
シニア世代が、ETFの配当を活用するのは、ありですよね。
投稿: NightWalker | 2018年8月 2日 (木) 23時42分