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2018年7月22日 (日)

ドルコストを選ぶ5つの理由 2018

年に一度くらいは、ドルコストまとめ記事を書いておこうと思いつつ、最近は書いていなかった気もします。久しぶりに、なぜドルコストなのか?について整理します。保存版エントリー。

その1 つみたてNISAを利用すると自動的にドルコストになる

これは、2018年登場の新パターン。税金がおトクな「つみたてNISA制度」は、「つみたて」が前提なのです。今年のトピックとして、あえて、上げておきます。

その2 サラリーマンが最速で投資するもっともカンタンな方法

長期投資とは、バイ・アンド・ホールドにより株式のリスクプレミアム成分をゆっくりと抽出する方法論です。保有期間は長ければ長いほどよいことになります。サラリーマンの場合、それは、月々得た収入を「即」積み立てることで実現できます。言ってみれば、ドルコストとは、毎月一回(あるいは毎日)、一括投資をすることです。

「サラリーマンの投資とはそういうものである」という、私がドルコストを続けたもっとも根源的な理由です。

その3 ゆるやかにリスク制御できる

特に、それまで、ほとんど、貯金しかしてこなかった人の場合、いきなりリスク資産の比率を上げてしまうのは危険です。しかし、積立てであるなら、全金融資産に対するリスク許容度を徐々に上げて(下げて)いくことができます。その人がその時点で取れるリスク許容度に見合った期待リターンを少しずつとっていけばいいのです。

その4 蓄財の習慣化をしやすい

投資の最大の敵の一つが、「浪費」です。ドルコストが持つ「天引き効果」は、そういう人間の行動特性に対抗する智恵の一つです。

その5 無料の精神安定剤

ドルコストは、ファイナンス理論的には損でも得でもありません。(ご参考エントリー:ドルコストと一括投資の比較はしなくなりました。

しかし、市場が軟調なときに「安く買える( ̄ー ̄)ニヤリ」と思えたり、市場価格のノイズによる影響を減らすことも多少はできる(ような気がする)、などなど投資を持続させるための心理的効果は絶大です。

ドルコストには、精神安定剤効果があるのです。しかも、証券会社のドルコストサービスの利用は無料なんです。

以上、私の考える「ドルコストを選ぶ5つの理由 2018年アップデート」でした。

余談

時折、「ドルコストは、ファイナンス理論的に損でも得でもない」という説明が強調されるのは、よくある販売会社の説明パターン、「買付価格の平準化ができることを、ドルコストが、あたかも、おトクであるかのように見せかけて、返す刀で地雷型投資信託を売る」みたいなセールスに対するアンチテーゼです。

しかし、現実の世界に生きるサラリーマンにとっては、「ドルコストがファイナンス理論的に損でも得でもない」のならば上記のメリット分はドルコストの方がお得である、と私は感じています。販売会社さんも、実際の現場では、案外、私のような理由で説明しているかもしれませんね。ただ、へんなパンフレットもついでに置いていくかもしれません。

「人間社会の決まり切った収入のシステム」と「人間が持つ不合理な経済的行動」の二つが、「自然なことである」と定義することにより、ドルコストは理論的にある種の合理性を持って説明できるのではないかとは、思います。

ただ、私が、ドルコストにメリットを感じているのは、実はそんな理屈っぽい話ではなく、あくまで実感です。

そして、私は、実感だけで、けっこう満足しています。

ご参考エントリー

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コメント

 一括で買う場合、いつ買おうかと考える必要があります。
買った後も本当に正しかったのかとどうしても考えてしまいます。
 市場平均分利益があれば良いと考えドルコストで買って
使うときは使う分だけ解約するようにしたらすごく楽になりました。
これから株が上がるか下がるかわからない普通の人はこれでいいと思います。

投稿: えうろ | 2018年7月22日 (日) 00時39分

>えうろ様
コメントありがとうございます。
>一括で買う場合、いつ買おうか?
長期投資を前提とするならファイナンス理論上は、「今」です。
でも、一括投資は、リスク資産の比率を急に上げることになるので、心が苦しくなっちゃうんですよね。
長期投資は、続けることが、最優先なので、ご指摘のような「すごく楽」になったという効果は、けっこう、重要です。

ちなみに、すでにご自身の許容度までリスク資産の比率が上がっている人は、もはや、ドルコストであっても、何ら非効率ではないと思います。一括投資が効率的だとされるのは、取れるリスクは早めにとって長期的な期待リターンを増やそうというだけのことですから。
この場合は、さらに安心して?ドルコストの精神安定剤部分を利用すればいいのではないか、と私は思っています。

投稿: NightWalker | 2018年7月22日 (日) 09時54分

ドルコスト平均法、いろんな意見がありますが、株価はランダムに動いて未来が分からないのでそこ時点では適正価格であり、かつ未来の株価が分からない、となれば買いはいつするのか?となります。

 働いてるうちらみたいなのは、ドルコストのような積立で「たんたん」と購入していくのがベターかと思います。何せお金の入りは給与が圧倒的に多いので、投資に掛ける時間は相対的に少ないので、ドルコストは投資に掛ける時間の短縮にもつながります。

投稿: くまさん | 2018年7月22日 (日) 10時12分

>くまさん様
コメントありがとうございます。
ドルコストは給与との相性がいいのと、手間いらずというメリットがありますね!

投稿: NightWalker | 2018年7月22日 (日) 22時38分

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