長期投資の2つのリスク
長期投資のリスクは大きいと言われます。私が今どう考えているか、ちょっと整理してみたいと思います。本エントリー では2つほど観点を上げます。
長期投資のリスクは大きい?
たしかに、ボラティリティ(変動幅)は、年数が経てば経つほど大きくなっていきます。あたりまえです。しかし、その一方で、20年、30年と長い間、保有していると、年あたりのリターンが、平均回帰していく現象が観測されていますので、それさえ、信じることができれば、それほど恐れる必要はないというのが、私のベーシックな考え方です。
ただ、リターンの平均回帰のメリットを享受するには、最終的なリードタイムは、50年くらいは欲しいというのが私の考えです。(40歳で始めて、90歳までとか。要は、一生。)
50年も続けられるのか?ここに理論的ではない現実的な課題があります。本エントリーでは、この点についての観点を上げてみます。
長期投資のリスクその1 失った時間は返ってこない
たとえば、
- 始めたけど、怖くなったり、お金を使っちゃって、止めてしまう。
- そうこうするうちに子育てや、日々の生活に追われて、何もしない。
- ところが、アラフィフあたりで定年が見えて来て、いまさら焦る。
と言うような場合。あとは
- そもそも始めない。
というのもありますね。
この場合、失った時間は返ってきません。
長期投資のリスクその2 長期低迷に耐えられるか?
私の本では、長期投資成功の最大のカギは暴落への対処であると書きましたが、もうひとつやっかいな問題があります。それが、20〜30年に及ぶ、長期低迷です。私が、最終的なリードタイムは50年は欲しいと考える理由は、この辺にあります。
日本ばかりがダメと思っているひとが圧倒的に多いですが、今をときめく米国株でも全く同じです。たとえば、1970年代、冷戦まっただ中、ベトナム戦争をしていた頃は、長らく低迷していました。(その頃、日本は、高度成長期でいい調子でした)。古くは、大恐慌後。最近では、2000年代が低迷期だったとも見えます。(拙著p103や、こちらのエントリーの対数グラフを見てください)
でも、逆に言えば、長期低迷は、これまでのところ、20〜30年程度で済んできた。逆に、それに相当するような長期上昇期もあった。こう信じて、がまんできるかどうかです。がまんできないと、「リスク1」に戻ります。失った時間は返ってきません。
長期投資という視点を持つことの重要性
もちろん、未来は誰にも予測できませんから、長期投資をするのとしないのと、どっちの方が時間を失うことになるかはわかりません。
私は、「資本経済社会の仕組みが継続する限り、こと株式に関しては、長期投資の方が勝つ確率が高い。けっこう髙い」と考える方にベットしています。世界的に見ても人生100年の時代。そして、日本では少子高齢化先進国という状況にあります。ここをなんとかするための選択肢が「長く働く」だけではあまりにさみしすぎます。投資の力を借りること、長期投資というのは、多くの人に必要なスキルになりつつあるのです。私は、ずいぶん昔にこの思考に到達し、今も変わっていません。
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コメント
長期貯蓄というのはなかなかに難しいものですね。それこそ銀行の定期でも 5%以上の利息がついた時期もあります。その時代にあわせてお金の置き場所も変える必要がありますし。それでもコツコツと毎月貯蓄/投資にもお金を回してゆくのが、最終的にはいつか必要になる資金を貯めることになると今頃になって感じております。
わたしは新入社員の頃に大先輩に言われた言葉がきっかけになりました。その人は、毎月1万円を天引きに。それを毎年 10%ずつ増やしてゆくと定年頃には一億円近くにと。。その通りにはいかなかったのですが、社内預金や財形貯蓄などを放ったらしで続けてるうちに今となってはありがたい蓄えになってくれました。継続は力になりますよね。
投稿: やました | 2018年6月28日 (木) 19時21分
> やました様
コメントありがとうございます。
>それを毎年 10%ずつ増やしてゆく
これ、後半が苦しそうです(笑)。それはともかく、そんな先輩のご助言がコツコツ投資のきっかけになったのだとしたら、ステキなことですね。
投稿: NightWalker | 2018年6月28日 (木) 20時09分