両親が毎月分配型の投信を買っていた場合についての一考察
ここでの想定は、投資経験が少なく「毎月分配は止めておけ」「投信のコストに要注意」という最近のトレンドを知らない高齢の御両親の場合です。
パターン1 全部、預金にしてもらう
我が家のパターンは最終的にこれでした。
厚生年金を60歳からもらえた世代は、65歳が標準になった世代とは違います。運用はGPIFがしてくれている、と割り切って、個人は「預金」、または、ペイオフ対策としての「個人向け国債」ぐらいで十分ではないでしょうか。
運用しなくても、老後の金銭的心配はない人が多いですし、逆に金銭的心配がある人は、たとえば、借金があったりする人なので、なおのこと、投資商品は危険すぎます。
パターン2 別の商品に買い換えてもらう
もしも、分配金にこだわりがあるようでしたら、ETFによる分散投資が良いのではないでしょうか?
J−REIT、外国債券、内外株式への分散なんかが考えられます。
ただし、これまで投資を経験されたことのない方であれば、ETFは理解不可能かもしれませんし、そもそも購入自体たいへんかもしれません。
パターン3 半分だけあきらめる
こだわりがあるのが、分配金ではなく、やさしくしてくれる営業さんだった場合です。この場合、説得しても、頑として応じてくれない場合があります。「あなたは、わかってないのっ!」というわけです。
宮崎駿さんの名作「紅の豚」で飛行機の燃料を補給する時、燃料のお代が割高でご不満のフィオに主人公ポルコが言う名台詞があります。
「ぼってるんじゃねえ。持ちつ持たれつなんだよ。」
「海も陸も見かけはいいがな。このあたりはスッカラカンなのさ」
御両親は,いわば、この心境に到達していらっしゃるのです(たぶん)。こうなると、金融庁に通報したくなるような悪徳商品を除き、スルーせざるを得ません。
この場合は、全財産におけるリスク資産の割合を確認しましょう。これは全世代共通のセオリーです。
御両親の気持ちを尊重し、資産の10%未満くらい(あくまで私の感覚です)をメドに許容してあげるのが良いかも。あまりにリスク資産比率が高い場合は、その商品以前です。高齢者のリスク資産運用として看過できない状況ですので、一部売却してもらいましょう。
以上,3パターンほど考えて見ました。他にも、いろいろな対応パターンがあるかもしれませんね。
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