日興AMさんのETF投資懇談会 2018 その1マーケットメイク制度
昨年も、参加させていただいた日興AMさんのETF投資懇談会 に今年も参加させていただく機会を持てました。日興AMさんありがとうございます。
概要
今回のETF懇談会は、日興アセットマネジメント(日興AM)さんの主催で行われ、日興AMの今井さんを中心に、
- 東証マーケットメイク制度のキーマンである岡崎さん、東証マネ部の三木さん
- マーケットメイカーであるフロートレーダース社の山田さん
- ブロガー(虫とり小僧さん、水瀬ケンイチさん、kenzさん、ASKさん、そして私)
というメンバーで行われました。今回のメインテーマは、ETF投資家注目の的、今年の7月2日から始まるマーケットメイク制度です。
マーケットメイク制度とは?
東証さんのサイトです。
今回の改革でETFの流動性を高めようという制度です。7月2日施行です。
今回の制度で期待されるのは?
マーケットメイカーさんがこれまでいなかったというわけではなく、これまでも市場で取引をしていました。で、今回の制度で何が変わるのか?というと、ひらたくいうと、もっと気合いを入れて参加してもらい、
ETFの板が埋まるようになる(ことが大きく期待される)
です。
ETFは、総資産残高の95%が日本株、日次平均売買代金も87%がレバレッジインバース型、11%日本株という状況で、それ以外の取引が、とてつもなく少ないという問題を抱えています。このため、売り注文と買い注文が埋まらず、なかなか値が付かない状態になるETFもたくさんありました。iシェアーズMSCI日本株最小分ETF(1477)なども、インデックス好きな投資家の注目を浴びたのですが、取引が少なく、適正な価格で取引をするのが大変難しい状況にあり、私もためしに買ってみたとき、えらく苦労しました。
制度のポイント
インセンティブをきっちり払うので、個人投資家が安心して売買できるだけの数量の取引を確保してくださいというのが、今回の制度です。ポイントは、マーケットメイカーさんの参入条件にあります。
- 30銘柄以上うち低流動性20銘柄以上
マーケットメイカーさんとしての儲けどころは売れてるETFですが、売れてない銘柄もちゃんと板が埋まるようにしてくれということです。
もうひとつ、ポイントがあります。
- つみたてNISA対象指数に連動する銘柄には他の銘柄より高いインセンティブを払う
もし、これが上手くいくと、メジャーどころの指数の取引が埋まるようになることが期待されます。
投資家としての7月以降のチェックポイント
- どんなETFにマーケットメイカーさんが参入してくれるか?(全部とは限らない)
- 板は本当に埋まるのか?
- その結果、市場価格と基準価額の乖離は小さくなるか?
もくろみ通りに行くかどうか。楽しみですね。上手くいくといいなあ。ワクワクです。東証マネ部さんには、効果の視える化をお願いしてみました。東証マネ部さんのサイトにも注目してみてくださいね。
<追記>
東証マネ部さんのマーケットメイク制度の記事です↓以前見たときは、開始の日付が入っていなかったのですが、しっかり7月2日導入予定と明記されています(4/5更新)
また、東証さんとしては、いろいろな制度改善の積み上げが大事だと考えており、二の矢、三の矢を考えているとのことでした。
私個人としては、基準価額の乖離は、極端な場合を除き、あまり気にしていなくて(最悪、売買手数料みたいなものだと割り切る)、流動性と、今回の制度とは関係ないですけど、つみたてNISA向けファンドに負けてる保有コスト(信託報酬率)の方に問題意識を持っています。
(長くなったので続く)
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