長期に生き残ったファンドを探してみると?
つみたてNISAの非課税期間は20年です。過去のファンドを振り返って見て、20年、30年の時を経て生き残ったファンドはどのくらいあったのでしょうか。ずいぶん昔に調べたような気もしますが、あらためて、モーニングスターの検索機能を使って調べてみました。
条件
- ETF・DC専用・SMA専用を除く全ファンドを対象
- SBI証券で売っているファンド(今現在容易に購入可能という意味で)
- 運用年数 条件なし(全ファンド)、20年以上、30年以上
- 2018年2月22日にモーニングスターで検索
検索結果
条件 | 合計 | インデックス | インデックス以外 |
---|---|---|---|
すべて | 5,082本 | 448本 | 4,634本 |
SBI証券※ | 2,511本 | 312本 | 2,199本 |
20年以上 | 83本 | 14本 | 69本 |
30年以上 | 12本 | 6本 | 6本 |
※SBI証券会社さんの検索だと2,566本でしたが、モーニングスターさんの検索結果にしてあります。
何千本もファンドはあるのに、実際に長期投資できたファンドは、数十本しかありません。
30年生き残ったファンドの一覧
30年生き残ったファンドの一覧が以下の通りです。たったの12本。
ファンド名 | 会社名 | カテゴリー | 信託報酬 (税込) | 純資産額 (百万円) | 10年 リターン (年率) |
---|---|---|---|---|---|
情報エレクトロニクスファンド | 野村 | 国内大型グロース | 1.53% | 10,513 | 9.95% |
キャピタルオープン | 日興 | 国内中型ブレンド | 0.78% | 3,356 | 10.63% |
株式オープン | 三菱UFJ国際 | 国内大型グロース | 0.81% | 1,804 | 5.83% |
システム・オープン | 三菱UFJ国際 | 国内大型バリュー | 0.81% | 6,467 | 7.70% |
MHAM 株式オープン | アセマネOne | 国内大型グロース | 0.81% | 15,233 | 6.12% |
大型株ファンド | 大和 | 国内大型ブレンド | 0.78% | 1,521 | 6.78% |
インデックスファンドTSP | 日興 | 国内大型ブレンド | 0.56% | 24,215 | 6.84% |
ストックインデックスファンド225 | 大和 | 国内大型グロース | 0.56% | 69,142 | 6.81% |
MHAM 株式インデックスファンド225 | アセマネOne | 国内大型グロース | 0.59% | 138,886 | 6.72% |
株式インデックス225 | 野村 | 国内大型グロース | 0.67% | 23,366 | 6.65% |
インデックスファンド225 | 三菱UFJ国際 | 国内大型グロース | 0.56% | 60,123 | 5.00% |
225インデックスファンド | T&D | 国内大型グロース | 0.57% | 3,428 | 4.70% |
- 30年前は、インデックスファンド言えば、日経225とかろうじてTOPIX。
- 昔のアクティブファンドは意外と安い。(つまり、どんどん値上がりしたと言うこと)
- 生き残ったアクティブファンドのパフォーマンスは意外と良い。
考察
私が、つみたてNISAには、インデックスファンドがいいと思っているのは、この点にあります。
- 20年後に生き残るファンドを探し出すのは、インデックスであろうとアクティブであろうと不可能に近い。
- しかし、つみたてNISAで採用している指数であれば、インデックスの場合、代替ファンドを探し出すのが比較的容易。
- あとは、未来の金融庁さんが、自ら顧客本位の精神を発揮し、償還ファンドがあった場合の救済策を作ってくれるのを願うのみ。(現行の決まりでは、非課税とは言え強制売却され、NISA枠がすっ飛んでしまう。)
インデックスの利点としては、一般的なモダンポートフォリオ理論、CAPM、低コスト、敗者のゲーム(マーケットの世界では平均点を取り続ける人が残る)の話は、もちろんそうなのですが、20年近く投資信託とつきあってきて、これだけ強い長期保有姿勢を持つ私でさえ、実際に長期に保有できたファンドが一本もなかった、と言う事実。これは、個人的には、重い経験です。
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