つみたてNISAの枠でけっこうなニーズを満たせる?
QUICK資産運用研究所さんです。
投信積立をしている人に聞いた月額の積立額はこのくらい
投信ブログをやっていると、もっと投資枠を増やすことができないかという声をお聞きすることがあります。しかし、これは、投資欲のある方の声かもしれないなあ、と感じていて、普通の人は、どの程度なんだろう?と前から思っていました。この調査では、それがわかります。
で、この表を元に作ったのが下記の表です。
月額 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 |
---|---|---|---|---|
0円〜3万円未満 | 78.1% | 66.7% | 60.9% | 67.1% |
0円〜5万円未満 | 90.6% | 78.7% | 73.4% | 80.2% |
- 普通の人の多くは月5万円未満。月3万円でも普通かも。
- 若い世代と50代以上は、働き盛りの40代に比べ、積立額が少なめ
というような感じでしょうか。この調査、私の庶民感覚にもマッチします。
つみたてNISAは若い人のニーズをかなり満たせる?
これを見るとわかるのが、つみたてNISAの主役、20代の場合、実に8割弱の人が、現状のつみたてNISA枠である、月額3.3万円の枠の中に収まりそうだと言うことです。
さらにiDeCoも合わせて考えてみましょう。企業年金がない会社の方の場合、月額2.3万円の掛け金枠があります。とすると、iDeCo+つみたてNISAで、月5.6万円。20代の実に9割以上のニーズが満たせることになります。
企業年金制度がある方の場合でも、掛け金の枠が月1.2万円ですから、iDeCo+つみたてNISAで、4.5万円。この場合も、けっこうなカバレッジがありそうです。
iDeCoとつみたてNISAの枠は、現状の若い普通の人の投資意欲で考えれば、ニーズを十分満たせそうです。というか、20代の月3万円って、一人暮らしの場合、けっこうたいへんですよね。
iDeCoやつみたてNISAは、特に若い人を中心とした、制度の認知、利用のしやすさ、そもそも投資をしていない人へのアピールが大切であることは、この調査からも浮かび上がってくるような気がします。もし、知らずに非課税枠を使っていない人がいるのだとしたら、もったいないですからね。
コメント
月5万円で十分であるなら、つみたてNISAの株式縛りは悪手だと考えます。
つみたてNISAは債券やREITも使えるようにして、きちんとアセットアロケーションを組める形に改善するべきでしょう。
投稿: AKI | 2018年2月26日 (月) 22時50分
>AKI様
コメントありがとうございます。
つみたてNISA対象商品の半分近くを占めるバランスファンドの中には、債券やREITが含まれるものもたくさんあります。債券やREITも含めて資産運用のすべてをつみたてNISAで完結させたいと考えている人には、そういう選択肢はいかがでしょうか?
私としては、長期投資の場合、株式+日本債券が基本。長期金利がゼロの今、日本債券は個人向け国債か普通に定期預金で十分かな、と考えています。(投信を5万円積み立てている人は、たぶん、それに相応する貯金もしているはず)
オーダーメードのアセットアロケーションを組める人は、全体の中ではまだまだ少数派と思われます。国民全体では、それ以前の状態なんです。「貯蓄から投資へ」と言い出してから、かれこれ20年近く立っていますが、一向にそうなる気配がありません。だから、「貯蓄から資産形成へ」とスローガンを変え、つみたてNISAができたのだと私は解釈しています。
国民全体が脱初心者の時代を迎えることができたら、また新しいニーズや課題が生まれ、新しい制度が生まれてくるんだろうなと期待しています。
投稿: NightWalker | 2018年2月27日 (火) 11時09分