一度きりの人生を楽しむために必要なこと
日経マネー研究所 家計再生コンサルタント横山光昭さんの記事です。
はじめに
いやもう、突っ込みどころがたくさんある設定です。息子に月2万円仕送りしてもらってる分際で、『人生は一度きりだから楽しまなくては』で娯楽費が月8万円。現役世代でもこんなに豪遊しない。あったらあるだけ使うっていいオトナがなんですか。しかも、お金が足りないから、投資で増やすって、65歳じゃ無理。その前にやることあるでしょう。財産分与時にはローン返済済みのマンションと600万円あって、増やすどころか420万円。60歳から年金をもらえる世代なのに65歳いや70歳年金世代のムスコから仕送り? 仕事を辞めたら月12万円になっちゃうと言ってますが、そのころは、ムスコさんだって子どもの教育費やなんやかやで仕送り苦しいはずですから、月10万円で見るべきでは。って、そんなこと65歳になる前にわかるでしょう。・・・・とまあ、きりがないのですが、この設定のリアリティについては、この種の記事には良くあることなので、一切ふれないで(ふれたけど)、ちょっと考察してみます。
その1 転機に支出のリストラをする
人生には、支出のリストラをすべき時があります。しかも、けっこうわかりやすいタイミングで来ます。私の場合はセミリタイア。この設定で言えば、
(1)離婚したとき
(2)年金受給資格ができたとき
気が付かないはずがないタイミングです。
この例で言えば、60歳になった時、年金をもらうのを保留して、働いている収入だけで生活していれば、老後貧乏が一転して老後安心に変わったはずです。手取り16万とは言え、持ち家で家賃はかからないのですし。
その2 介護のことを考える
この設定で言えば、相談すべきはムスコさんだったのかもしれません。
このケースで心配なのは、今より、将来、介護が必要になったとき。お金のかかる施設介護は不可能と思われ、在宅介護は必須でしょう。となると、ムスコさんのサポートも必須になる可能性が高いです。今からその心づもりは必要なのでは? 具体的には、元気なうちに引っ越して、近所に住むとか、そういうことです。でも、逆に言えば、考えておけば乗り越えられるはずです。
ちょっと考えるだけで老後貧乏は避けられる
もちろん、お金があれば、解決できます。でも、お金がそんなになくても、ちょっとした常識があれば、極端な例を除き、老後貧乏は解決できるというのが、私の考えです。
『人生は一度きりだから楽しまなくては』
だからこそ、必要なこと、必要なガマンがあるんですよね。アーリーリタイアで資金プランがそれなりに厳しくなったせいで気が付くようになったこともあるような気がしています。
それにしても、FPさんって、歯医者さんと同じなのかもしれないな、と思いました。
「どうして、こんなになるまで、ほおっておいたの!」
最近は、患者さんが逃げちゃうのでこんなことをいうお医者様はいらっしゃいませんが、病気にならないとお医者さんに行かないのと同様に、お金に困らないとFPさんのところへは行かないんですよね。いたちごっこなのかもしれません。
コメント
65歳まで、まったくお金の心配をせずに、豪快に人生を楽しんだのだから、大成功じゃないでしょうか。
65歳で貯金420万円。
年金が月9万8千円。
私なら金の心配で、正気でいられません。
Sさんの楽天さを、1割ほど分けてほしいです。
投稿: 見知らぬ男 | 2018年1月27日 (土) 17時56分
>見知らぬ男 様
コメントありがとうございます。
こんな人、ほんとにいたら、びっくりです。
それにしても、ムスコさんの仕送り2万円が、ムスコさん自身のつみたて投資に向かっていれば、大きいのになあ。
投稿: NightWalker | 2018年1月27日 (土) 18時46分
年金について計算してみました。
私の手取りは、Sさんの65歳時点の手取りは高いので、Sさんより年金は支払っているはずです。
で、60歳まで働いて、繰り上げて60歳から支給されるとSさんと同等。
しかもこの金額はあくまで予想。
減る可能性が大。
泣けますね。
改めて、年金格差を実感してしまいました。
投稿: 見知らぬ男 | 2018年1月27日 (土) 18時46分
>見知らぬ男様
コメントありがとうございます。
年金ギャップ世代であるSさんのムスコさんが仕送りをするというのは、書いていない個人的な事情(ホントは涙なくしては語れない事情というのがあるかもしれません)は抜きにすると、ちょっとおかしな話で、リアリティに欠ける事例ではあります。
投稿: NightWalker | 2018年1月28日 (日) 12時51分