資産について話してみる 2018(3)REIT
資産についての新春雑談、第3回は、「REIT」です。
個人投資家と不動産
個人が、「不動産」と向き合うケースは、主に3つあります。
(1)持ち家
(2)不動産投資
(3)証券(REIT)
(1)(2)は、「流動性が低く取引コストが高い上に、保有コストもそれなりにかかる」「多くのケースは負債を伴っている」「持ち家は、投資と言うより高額消費の側面が大きい」「不動産投資は、投資と言うより事業的側面が大きい」などから、今回の雑談の対象外とします。持ち家については、そのうち「アーリーリタイアと持ち家」というタイトルで、別途エントリーを書いてみたいと思います。
REITのポイントは「利回り」
REITというのは、みんなで不動産をシェアして保有し、賃貸などの営業収入を山分けしちゃおうという仕組みです。経営状態は、オープン。市場で取引され、取引コストも安く、流動性もあります。ほんと、うまいこと考えたもんだと思います。
大事なのは、もちろん、評価額もなのですが、やっぱり、利回りです。
この利回りが、2017年末で、4%ぐらい。ゼロ金利の今、かなり魅力的な水準ですし、ポータビリティの高いアパート経営みたいなイメージで捉えれば、リタイア世代には、アピールするかもしれません。アーリーリタイアした私にも響きます。
私とREIT
そんな誘惑に駆られるREITですが、私の場合、内外合わせても4%程度の資産比率に押さえています。私なりの「気になるポイント」を2つほど。
(1)REITの市場規模は小さい。
昨年末で、東証一部の時価が683兆円に対して、J-REITは11兆円です。投資は、それに見合った比率で十分ではないかとも考えられます。
(2)REITは歴史が浅く、リスクの大きさが読めない。
J-REITができたのは、2001年。REITのリスクを過去の数値から読み解くには、歴史が浅すぎます。日本のREITは、金利変動の大きな周期を経験しておらず(低金利が続いているので当然です)、よくわからないのです。長期投資の対象として見た場合、少々不安になるところです。
まとめ
というわけでまとめると、私としては、REITは、あくまで「補助的な資産クラス」と考えています。
さて、ここからは、新春雑談ではなく、新春放談です。話半分で聴いてやってください。
放談その1 不動産のインデックスって?
一部の証券会社が宣伝しているように、いわゆる財産3分法における不動産クラスの投資先がはたしてREITなのでしょうか? 不動産の証券化のカバレッジで考えてみても、まだ完全には、ほど遠い。実は、遠い将来、たとえば私の自宅も含めて、すべての不動産が証券化(デジタル化)されて、取引されるんじゃないか、と思ってるんですよね。そうなって始めて、不動産全体の本当の適正価格(フェアバリュー)が、はっきりすると思うんです。
まだ、不動産インデックスってないよね、と思う、一インデックス投資家なのでした。
放談その2 バランスファンドのREITってどうなの?
人気の8資産バランスファンドなどでは、等配分であるがゆえに、REITが大きな比率を占めています。また、ロボ・アドバイザーでも、けっこうな比率をREITに割り当てた提案をしてくるかもしれません。(これは、リスク・リターン・相関係数の3要素からなる単純化されたモデルによるアドバイスの宿業みたいなものです。)
これらについては、私としては、「初心者向け商品としては」いかがなものか、というスタンスです。
私はバランスファンド肯定派ですが、どちらかというと、REITのない基本4資産のバランスファンドをオススメしたい。REITは、投資の応用編と考えて、「興味が出たら買い足す」でも良いのではないでしょうか。
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