資産について話してみる 2018(2)債券
資産についての新春雑談、第2回は、「債券」です。
債券のリターンの源泉は金利
債券というのは、早い話、「お金を貸すこと」。見返りは、「利子(金利)」と言うことになり、債券は金利で価格が変動します。
(1)金利が上がると、債券の価格は下がる。
(2)金利が下がると、債券の価格は上がる。
金利と逆に価格が変動するのです。(私もよく書き間違えます)
株式資産のベストパートナー
債券クラスの役割をひと言で言うと、「株式資産のベストパートナー」です。
株式クラスは、前回、書いたように自己増殖する資産で、資産形成におけるメインエンジンですが、期待リターンが高い反面、リスクも高いのです。長期投資を続けるためには、なんらかのリスク低減策が望まれます。
で、登場するのが債券クラスです。債券クラスは、
- 期待リターンは株式より低いが、リスク(価格変動)も株式より小さい。
- 株式クラスと債券クラスは、相関関係の低さがある程度期待できる。
という特徴があり、伝統的に相性の良い組合せなのです。
つみたてNISA枠では、節税効果を最大に上げることを期待して、株式100%での活用をオススメしますが、全体のポートフォリオで見た場合、債券クラスは必須です。
私の債券クラス
私の現在の債券クラスは、個人向け国債と現預金です。債券ファンドや国債はありません。
現在の日本は、日銀が「長期金利をゼロにするオペレーション」を実施しています。どうやら、これ以上、金利が下がらないみたいなのです。つまり、長期国債の期待リターンは、当面ゼロ、中長期的に見れば、マイナス(いつかは金利が上がるだろうという予測)ということになってしまいます。
というわけで、金利が上がってもうれしい、個人向け国債(と現預金)を保有しています。個人向け国債変動10は、基準金利が上昇すると利払いも上昇するという、ありがたい投資商品です。機関投資家が欲しくても買えない個人投資家だけの特権です。
外国債券クラスについて
さて、避けては通れないのが、外国債券クラスのお話。今、現在、私は外国債券クラスをほぼ保有していません。(ウェルズリーインカムファンドに含まれる債券部分のみなので、全体の1%強ぐらい)
その理由を整理すると、
- 外国債券の期待リターンは原理的には日本債券と同じ(山崎元さんの記事:外国債券の期待リターン)
- 外国債券のリスクのほとんどは為替リスク。
外国債券への投資は、「債券」ではなく、ほとんど「為替変動」に投資している、というへんてこなことになってしまうわけで、長期投資的には、残念な感じにも思えてきます。
期待リターンが同じだったら、円安リスク対策という意味では外国株式にも投資しているし、為替リスクのない国内債券だけで十分じゃん、という理屈です。
ただ、資産活用型のポートフォリオへの変更を検討していく中で、「為替ヘッジあり」「分配あり」「超ローコスト」と3拍子揃った外国債券インデックスファンドがないものかしら、とも思っていたのですが、2017年12月 野村さんから、興味を引くETFが出てきました。
信託報酬0.12%.、今後の研究課題です。5年前にこんなファンドがあればなあ(そんなのばっかり)
最後に
「債券」は、「債権」ではありません。
よく書き間違えちゃうんですよね。みなさんも、かな漢字変換には注意しましょう〜。
コメント
債券については、AGGとか検討していたのですが、仰るとおり、為替リスクをどう考えるか?というのが投資初心者のワタシの悩みどころでした。
個人向け国債も検討中ですが、ご紹介のようなETFもあったのですね。選択肢が増えました。
どうもありがとうございます。
投稿: 傘張り浪人 | 2018年12月29日 (土) 08時59分
>傘張り浪人様
コメントありがとうございます。
為替ヘッジ付きは、為替コスト分負けるという考え方がありますので注意が必要です。日銀がゼロ金利政策をしているため、為替ヘッジ付き外債にフリーランチがあるかにも見えますが、もしフリーランチがあるなら、それこそ機関投資家が殺到するはずですけど、そんな話は聞いたことないし。というわけで、上手い話はないと私は思っています。
投稿: NightWalker | 2018年12月29日 (土) 12時48分