先輩がインデックスファンドをやめたわけ
私が、まだ、サラリーマンだった頃の話です。
先輩がインデックスファンドをやめた理由
会社の先輩と、ばかみたいに飲んで騒ぐ機会がありました。
5〜6年前のアベノミクス以前の話ですが、なぜか、投資の話になったのです。会社の人とそんな話になるのは,私の長いサラリーマン生活でもめったになかったこと。そのとき、こんな会話がありました。
私 「インデックスファンドって知ってます?」
先輩「知っているよ〜、だけど、過去に大損したから、もう絶対やらない」
そう。その先輩は、20世紀のバブルの頃、日本株のインデックスを買ってしまったという、ある意味、先駆者だったのです。そして、その会話があったのは、リーマンショック後〜アベノミクス前という、なかなか、重々しい時期でした。
ちなみに、その先輩、インデックスファンドはダメだから、不動産投資をやっている、っていうんです。バカ騒ぎしていたので、その場で「それは、おかしい」などと私から議論をふっかけることはなく、ありふれたサラリーマンの夜は更けていったのでした。
投資が進まなかったホンネの理由は、長引いた日本経済の低迷
なんでこんなことを思い出したのかといいますと、実は、先日参加した金融庁さんの説明会(こちら)の資料に、こんな図があったからです。
日本人はこの30年というもの、資産形成ができていなかった。金融資産ゼロ世帯が増えている→非常に残念→資産形成を促さなければならない、という文脈で使われていました。
しかし、思わず突っ込んでしまったんです、私。
<6/2追記> たぱぞうさんのエントリーもぜひ、ご覧下さい。
これって、バブル崩壊後の長引く経済低迷と同期していますよね?
インデックス投資に限らず、個人の株式投資(特にバイアンドホールド)が根付いていかなかったホンネの理由には、
- 日本株は下がりっぱなし。バブル崩壊の頃は海外投資は手段もその発想もなく、ついでに円高。
- バブル期に膨らんだ消費パターンと借金が、貯蓄を圧迫。
この二つがあったのではないか、と。
相場も悪く、貯金すらできないのに、誰が、リスクを取って投資をするでしょうか?
それを、いまさら、監督省庁にご指導されても・・・・・。
以下は、話半分で聞いてやって下さい。
冷戦終結期における日本の位置付けの急激な変化に対して、日本は負けちゃったわけです。いわゆるマネー敗戦。
西側、ことに米国からすれば、「今までは、敵がいたので、日本は経済である意味好き放題やらせていたけど、ジャパンアズナンバーワンなんて、いい気になっているし、もう冷戦も終わりそうなので、終了ねっ」という状況だったんでしょうか。プラザ合意しかり。円高に端を発する不動産バブルしかり。日米貿易摩擦しかり。知的所有権問題しかり。
上記の貯蓄ゼロ世帯が増えていく時期が、自分自身の30年以上のサラリーマン人生と同期する私としては、いささか、心中、穏やかではありません。
米国産の投資の本には、どんなバブル崩壊後も、20年経てば、株価は取り戻しているという説明がありますが、日本はいまだ回復していないのです。
過去は過去
でも、それは、もう、いいんです。
だから、これからもダメだとは、私は思っていないからです。
むしろ、今までダメだったからこそ、チャンスがあると考えています。半ば、強制的にアーリーリタイアとなった分際のくせに、妙に前向きなんですよ、私。
そんな私が投資する理由のひとつは、「これからの日本の経済環境は、徐々に普通に戻り、好転するだろう」と信じているからでもあるのでした。
それにしても先輩(もうリタイアしました)、いまごろ、どうしているかな。
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