2017年の世界経済はどうなるのか?竹中平蔵さんの講演を聴く
去年もいろいろありましたが、今年もいろいろありそうです。2017年はどういう一年になるのでしょうか?
てなわけで、今年も、楽天証券さん、竹中平蔵の講演を聴きに行ってみました。
竹中先生のプレゼンはやっぱりすごい
去年もそう感じましたが、竹中先生のプレゼンはやっぱりすごい。論理がすかっと整理されているため「黒板の板書が目に浮かぶ」感じがするのです。おっしゃっていることが、頭にどんどん入ってくるし、時間も短く感じる。
竹中さんの意見が好きな人はもちろん、嫌いな人もここは大いに勉強した方が良いと思います。
今年は、どんな一年か?
今年は、大きな変化の年・・・というようなことは誰でも言っているので、本日は、乱気流と偏西風の年という話をしたい、と、二つの変化という論点で整理されていました。(この2つの論理(二分木論理)って、重要なポイントです。ブロガーも参考にしなければ行けませんね。)
論点その1 乱気流
これはいうまでもなく、アップダウンの激しい経済情勢のこと。
- 昨年の株式市場 年初下がり、ブリクジットもあったが、いろんなことをやっても株は上がらない
- 最終的には、トランプ勝利で年末より高くなったが、日本は何にもやっていない。日本は、マイナス金利、補正予算をやったり、したが株価には効果がなかった。海外のおかげ。
「安倍ちゃんってついている」
とのことでした。
- 経済は、たしかに緩やかな回復を続けている。しかし、日本の経済はそんなに強くはなっていない。
- 米国 トランプ政権がどうなるか 一般教書演説、閣僚が議会に承認されるかどうか?
- 欧州 4月フランス大統領の投票 秋 ドイツ総選挙、メルケル政権もどうなるかわからない。ポピュリズムの風に毒されている。
- 中国 秋 共産党大会 常務委員7人のうち、5人が変わる。
- 川を上れ(歴史に遡っていくつかの教訓を得るべし)、海を渡れ(海外の事例から学ぶべし)
- 1981年レーガノミクスの初期とよく似ている。財政政策を拡大し金融政策を引き締めている。減税をして財政を削減しようとしたが財政の方は削減できなかった。この結果、財政と貿易の双子の赤字を抱えた。
- これは長続きしない。1985年プラザ合意に至った。前回は4年間持ったが、今回はそんなに持たないだろう。予言者じゃないとどのくらいはわからないが、どこかで政策転換があるだろう。
- トランプさん自身も含めてトランプ政権がどんな政策を採るかはわかっていないはず。1回も正式の記者会見をやっていない。ツイッターでは、短すぎて、好き嫌いくらいしか書けない。
- 一喜一憂しないで乱気流を乗り切るべし。
- 乱気流という言葉をあえて使っているのは乱気流は下に行く空気があるのと同時に上に行く空気もある。大きなチャンス。頑張る国(企業、投資家)と頑張らない国(企業、投資家)の差が大きくつく年ということでもある。
- トランプ政策は、日本にとって好都合なこともある。日本はもっと自立しろと言ってくれている。
- 一点だけ注意しなければいけないことがある。それは保護主義。
論点その2 偏西風
偏西風とは、一貫して吹き続けている潮流のことです。
今年も第4次産業革命というキーワードを上げていらっしゃいました。要は、画期的に新しい技術で、生産性を大きく向上させると言うことですね。
(1)人工知能(2)ロボット(3)IoT(4)ビッグデータ(5)シェアリング・エコノミー
また、今後、重要な政策としては、次の二つをあげられていました。
(1)サンドボックス(規制の砂場)
(2)コンセッション
- オリンピックとパラリンピックは強いモメンタム(勢い)が働く。
- もし、ここで頑張れなければ、日本経済は、高齢化、地方の疲弊などが大きな問題になる。
以上、示唆に富んだお話でした。
話は、それますが、偏西風のお話しで思ったのは、今、求人が増えて人手不足と言われているけれど、賃金水準は上がらないんだろうなと言うこと。人手不足分の仕事は、上記の産業革命による効率化によって、単に、将来、消えていくんじゃないかなあ。これは、昨年、再修行で実感し、確信したことなのです。
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