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2016年12月16日 (金)

分散投資で覚えておくとよい3つの注意点

” Don’t put all your eggs in one basket.”「卵は一つのカゴに盛るな」これを理論的に説明したのが、マーコウィッツさんです。

 

インデックス投資家に限らず、プロ、アマ問わず、いろんな投資家が、何らかの形で、この功績の上に載っかっています。

最近では、ロボアドバイザー。

何らかの入力条件を入れると、ポートフォリオと一緒に、そのリターンとリスクと、ついでにコストを「ちーん」と計算してくれます。これも、マーコウィッツさんの現代ポートフォリオ理論をもとに計算しています(はずです)。

すごいですね。現代ポートフォリオ理論。

でも、注意点もあります。3点、書いてみます。

その1 過去のデータを使って計算している。

リスクリターンの計算は、各資産クラスの過去のリターン、過去の他資産との相関関係を基礎データにして計算しているに過ぎません。過去、そうだったという、バックミラー・トレースに過ぎません。

ロボアドバイザーが、どの期間の、どの指標を使って計算しているかが、今ひとつわかりません。特殊事情のあった期間のデータだったり、期待リターンに至っては独自の設定をしているかもしれません。

あくまで参考です。

ただし、参考だとしても、ダウンサイドリスクは、値下がりに身構える上で、大いに役立つはずです。

その2 分散しまくる傾向がある。

リスク資産を分散すればするほど期待リターンをある水準に保ったままリスクは低下します。それは次のような計算上のマジックとでも言うべき事情があるためです。

  • 各リスク資産間の相関が、1(完全に相関のある状態)にはなることは、まず、ない。
  • このため、リスク資産同士を合成すると、計算上のリスクは下がる。
  • 一方、リスク資産は、ある程度の期待リターンを持っている。
  • このため、加重平均の結果もある程度の水準になる。

この結果、混ぜれば混ぜるほど、リターンはそれほど下がらないのに、リスクは下がるという計算結果になるのです。

ロボアドバイザーが提示してくれるポートフォリオが、たくさん分散することとも関係があると思われます。

でも、あんまり、細かく分散したポートフォリオを、長期にわたってメンテするのは、大変ですよね。

私の場合は、

  • 細かい資産クラスは、「その他」でまとめ、あんまり、細かく見ない。
  • リスクコントロールの主体を日本債券やキャッシュにする。

という方法で長続きさせようとしています。

そして最後の注意点。

その3 コストだけは、ほぼ確実

出ました。これが、一番重要です。

みなさん自身が計算したり、ロボアドバイザーが出力してくれる投資コストは、分散しようがしまいが、ほぼ確実にかかります。(「ほぼ」と書いたのは、明示されていないコスト(実際に運用しないとわからないコストなど)があるからです。)

以上のことを念頭において、ぜひ、分散投資のメリットを享受したいですね。

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