GDP比率と株式時価比率を見比べてみると・・・?
GDP比率と株式時価の比率は、必ずしも一致していません。これは、世界分散投資をする上で頭に入れておいた方が良いことの一つだと思うのでたまには見てみます。
株式比率 上位10カ国のGDPを調べて、その差異を見てみました。
国 | 株 式(A) | GDP(B) | (A)/(B) |
米国 | 52.4% | 22.5% | 2.3倍 |
日本 | 8.2% | 6.0% | 1.4倍 |
英国 | 7.1% | 3.8% | 1.9倍 |
スイス | 3.1% | 0.9% | 3.4倍 |
カナダ | 3.0% | 2.3% | 1.3倍 |
フランス | 3.0% | 3.7% | 0.8倍 |
ドイツ | 2.9% | 5.0% | 0.6倍 |
オーストラリア | 2.2% | 1.9% | 1.2倍 |
中国 | 2.2% | 13.4% | 0.2倍 |
韓国 | 1.6% | 1.8% | 0.9倍 |
株式比率は、バンガードVTのファクトシートから。
GDPは、IMFのデータベースサイト2014年ドルベースのGDPからNightWalker計算。
為替とも大いに関係しますので一概には言えませんが、日本のプレゼンス、どんどん落ちてきてますねー。それは、さておき、こうしてみると、
- 米国 2.3倍
- 英国 1.9倍
- スイス 3.4倍
- 中国 0.2倍
が、ずれの大きい国。米国、英国、スイスは、金融立国ってことなのかな。中国はなんだか「痛い」感じ。
理由はわからないのですが「成長の罠」という現象があって、経済成長した国の株価が上がるとは限らないのです。
これにちょっと関連した話になりますが、新興国の株式時価比率について、私自身はやや消極的な比率(リスク資産の6〜8%。全体の3〜4%)で投資しています。
というのは、次のような理由からです。
- もし、経済成長と時価総額が一致するような強国になった場合、その国は先進国株式指数に組み込まれるだろう。
- 欧米の金融立国陣営が最後の砦を守るべく「がめつく」がんばるだろう。
こういう風に考えるのは、少数派なのかなあ。
この辺は、資産配分の趣味の世界ということで。
コメント
中国の倍率が極端に低く出るのは、VTが参照しているベンチマークには海外からの投資が制限されている中国本土の「A株」が組み入れられていないからですよ。
また、GDPは当該国の”国内”経済規模を表すのに対し、株式時価総額は”当該市場に上場されている”企業の価値を表すため、スイスのように国内の経済規模が小さく、グローバル企業が自国外で稼いでいる国では倍率が高く出ることになります。
投稿: 通りすがり | 2016年1月17日 (日) 17時35分
通りすがり様
なるほど。言い換えるならグローバルに開かれている国とそうではない国の差ということですね。
適格なコメントありがとうございました!
投稿: NightWalker | 2016年1月17日 (日) 22時20分